2011/8/2013:4 宇野常寛インタビュー(3) ビッグ・ブラザーからリトル・ピープルへ、社会への想像力を拡張するために ■放射能という「みえない脅威」がぼくらの日常を半歩ずらしていく感覚 もちろん、これはゲームにかぎった話ではない。アニメで考えても80年代のアニメブーム時は昔の「ガンダム」のような架空年代記ものや、「ナウシカ」「AKIRA」のようなハルマゲドンものがシーンの中心にあった。これらは(革命を失った)若者たちに「大きな物語」を保証するファンタジーとして受容されていたと思うんですよね。のちのオウム真理教への影響ひとつとっても。しかし、現代において同じ位置にあるのは学園的な日常にファンタジー要素が入り込む作品やいわゆる「空気系」とか「日常系」とか呼ばれる作品群になっている。 そしてこの「拡張現実」をキーワードに新しい「政治と文学」の関係を記述できるんじゃないのかというのが、こ