今日母親が階段で首吊り自殺をしようとしていた。階段のところにあるオペレーター式の窓のチェーンに首を括り付けてそのまま階段から滑り落ちて首を吊ろうという魂胆だったらしい。 私は二階にある自室にいて、やたらバタバタと階段の方が騒がしいな、と思ったので様子を見に行ったら、無表情でチェーンを首に巻いた母親がいた。母親の首には赤い跡が付いていて、「もうこうするしか方法がない」と言った。私は驚きよりも悲しみや怒りや呆れといった感情を強く抱いた。 母親が自殺未遂をしたのは、たぶんこれで5回目。たぶんというのは、嫌な記憶が忘却されつつあって覚えている範囲でも曖昧な部分があるからだ。5回という数字を客観的に見ると、多いなと思うし、でもその数字以上に考えさせられることはたくさんある。 今回の自殺企図をする前も、私は母親と明日通院している心療内科にかかりに行くことを約束した。私の記憶が正しかったら、前にこういう