大阪府警富田林署から脱走した容疑者が、2ヶ月におよぶ逃走の末、山口県で逮捕された。〈行くぞ! 日本一周中〉と書かれた紙を貼った自転車に乗り、坊主頭のサイクリストに扮装した樋田淳也について、逮捕前、盛んに、こんなことが報じられていた。 「容疑者は、女装して逃走している可能性がある」 テレビ局は一斉にこう伝え、警察は「女装癖があるようだ」とも報じていた。女装と犯罪が結びつけられたのは、なぜなのか? 2007年に発生した、〈英国人女性英会話講師殺害事件〉の犯人も女装癖の疑いをかけられた。指名手配中に作成された、市橋達也の女装イメージは、事件とは関係なく一人歩きした。市橋は「いくら追い詰められても女装なんてしない」と逮捕後に回想している。 〈女装家タレント〉〈ドラァグクイーン〉〈男の娘(オトコノコ)〉など、さまざまなメディアで女装者を目にする機会が増えた。〈オカマ〉と一緒くたにされていた時代と比べ