ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.comニュース任天堂・宮本茂氏が語るゲームデザイン。「ゲームデザインとは設計」。前に遊んだゲームをより豪華にするのではなく、身の回りの何をテレビゲームにしたらおもしろいかを組み立てる
「桜井政博のゲーム作るには」が、最終回を迎えた。 この番組は『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』のディレクターとしてお馴染みの桜井政博氏が、自身のゲーム制作で得たノウハウや仕事の姿勢などを発信するYouTubeチャンネルとして、業界の内外を問わず大きな話題を呼んでいた。 約2年半にわたって動画が投稿され、その数なんと、まとめ動画を除き260本! その最終回はプレミア公開で多くのユーザーにリアルタイムで視聴され、「実は2年半も前に収録されていた」「別の企画と並行しながら作られていた」「制作費は9000万円」などの衝撃のデータが公開された。これもまた、ちょっと内容が濃密すぎて、大きな話題を呼んだ。 あの衝撃の裏話の数々に、「桜井さんがすごすぎて、正直少し怖い」という声も一部であがっていたけど……正直私もそう感じざるを得なかった。 い、いろんな意味ですごすぎる! 今回、そんな「桜井政
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』インタビュー。コマンドに隠された細かな採点方式、想定外だった部分への賛否両論、結末への想い、35年ぶりの新作について開発者に聞く。 数十年前に発売された往年の名作が、リメイクやリマスターで現代に蘇ることはあれど、そのシリーズの完全新作がリリースされることは珍しい。そんな名作の復活という、ファンにとっても夢物語だったものを実現させたのが、2024年8月29日に発売されたNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用ソフト『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』である。 本作は、ファミリーコンピュータ(ファミコン) ディスクシステムで発売された『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』から約35年ぶりとなるシリーズ完全新作タイトル。プレイヤーは空木探偵事務所の探偵となり、都市伝説上の人物“笑み男(えみお)”を巡る奇怪な事件に挑むことになる。 『ファミコン探偵倶
セガで「ハングオン」などのヒット作やセガサターンに携わった後,独立を選んだ石井洋児氏 ビデオゲームの語り部たち:第39部 ライター:黒川文雄 ライター:大陸新秩序 カメラマン:佐々木秀二 「ビデオゲームの語り部たち」第39部は,セガ時代に「ハングオン」などのヒット作や,セガサターンの開発に携わり,現在はアーゼストの代表取締役会長 CEOを務める石井洋児氏に話を聞く。 石井氏との出会いは、私(黒川文雄)がセガに中途入社した1994年に遡る。私は業務用ゲーム開発部署である第2AM研究開発部,通称「AM2研」所属の宣伝担当責任者として,鈴木 裕部長(当時)から石井氏を紹介された。 当時のセガでは,業務用ゲーム開発と,家庭用ゲーム開発の間には深くて広い,見えない川のようなものがあり,お互いに自分たちが開発するゲームという作品で牽制しあっていたように思う。そのためか,私からは石井氏を始めとする,家庭
2023年の末、私はPlayStation5で『ペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下、『P5R』と表記)』(アトラス)をプレイしていた。高校生の主人公を中心とするグループが「心の怪盗団」として活躍する人気RPGだ。 私は『P5R』をプレイしながら、幾度となく「大衆社会論だ……」と呟くことになった。その少し前、私は大衆社会論に関する論文を書いたのだが、『P5R』はまさに「大衆」を重要なテーマとする作品だったからだ。 ペルソナ5には無印とロイヤルの二種類があるのだけれども、ロイヤルのほうが大衆社会論としての深みが増している。 — Shotaro TSUDA (@brighthelmer) April 5, 2024 折しも、アトラスは2024年の10月11日(金)に新作RPG『メタファー リファンタジオ』の発売を予定している。ペルソナ3/4/5のスタッフによる作品で、トレイラーを見る限り、たしかにイ
昭和最後のインディーゲーム編集者:アナクロ雄弁家斉藤大地がみせる“Legitimacyの極致" 中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」第104回 本当にここは令和だろうか。昭和62年生まれの斉藤大地氏と話していると、いまも昭和99年は終わっていないと思えてくるほど、戦後日本の教養主義を背負い、その高い知性と誇りある社会意識のままに令和におりたったかのよう。そんなエリートが「ガチでゲームをつくってみた」とでもいうかのように教養とサブカルの結節点へ挑戦し、実際に世界で170万本を超える大ヒットゲームを作ってしまった。彼の人生を見るに、生きるとはそのままアートであり、誰かと出会い、対話の末に作品を残すことは、ジャンルを問わず「編集」なのだろう。元来編集者とはこういうものだったのではないか、という気持ちにさせられた。何十億とかけた巨大なゲームにも世界的にヒットするIPにも興味なく、目の前に天才か狂
ひとつの寓話から始めたい。『サルたちの狂宴』という、シリコンバレーのスタートアップ企業を運営していた人間が自らの経験を記した本がある。FacebookやAppleで活躍した著者は、当のスタートアップについて自嘲的にこう語る。 スタートアップとは、新しいアイディアによって華やかな未来を提案する夢のある新興企業のように思える。しかし著者にとってそれは、本の原題である“カオスモンキー”に近いものだ、と。 カオスモンキーとは、自社のシステムが障害に耐えられるかどうかを試すために、意図してシステム障害を起こすプログラムのことだ。『サルたちの狂宴』では、スタートアップの台頭とはある種、「社会にとってのカオスモンキーのようなものだ」と喩えてみせる。 たとえばUberの登場によって既存のタクシー業界が影響を受けたように、新興サービスが台頭するということは、既存の社会が無傷でいられるか、どんな犠牲を払うこと
» マニアックすぎると話題の『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』スマホ版が降臨! きみは何人のFキャラを知っているか 特集 人を選ぶジャンルではあれど、ハマれば底なし沼の経営シミュレーションゲーム。中でも漫画家になったり温泉旅館を経営したり遊園地を作ったり、さまざまな職業をカジュアルに体験できるのがカイロソフトの作品群だ。 テーマは違ってもゲームシステムやグラフィックに統一感があり、新作のリリースも見慣れた感があるが……先ごろNintendo Switchで発売された1本が爆発的に話題となっている。 その狂気的とも呼べるこだわりでファンを驚愕させた『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』がついにスマホに! 隙間時間に手軽にプレイできるようになった。 ・『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』 ジャンルとしては前述のとおり経営シミュレーションで、ケガをした店主に代わって近所のどら焼き屋を手伝う。 キャラク
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」七英雄の再帰還を迎える前に振り返るシリーズの変遷・後編(PlayStationの時代〜現在編) ライター:高橋祐介 サガシリーズ特集企画「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」七英雄の再帰還を迎える前に振り返るシリーズの変遷の後編をお届けしよう。 本企画は,2024年10月24日に発売される「ロマンシング サ・ガ2」のフルリメイク作品「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」(PC / PS5 / Switch / PS4)を迎える前に,それに至るまでのサガシリーズを再考しようというものだ。 後編では,1989年の「魔界塔士 Sa・Ga」から1995年の「ロマンシング サ・ガ3」までのゲームボーイ〜スーパーファミコンの時代に迫った前編に続く時代,PlayStationという新天地で誕生した「サガ フロンティア」以降の作品から現在までの
“シブサワ・コウ”、“ω-Force”、“Team NINJA”、“ガスト”、“ルビーパーティー”、“midas”というブランドのもと、さまざまなエンターテインメントコンテンツを開発しているコーエーテクモゲームス。ブランドにはそれぞれ個性があるが、なかでも“ルビーパーティー”は、おもに女性向けゲームを開発するブランドで、所属スタッフも女性が多く、ほかのブランドとは一線を画している。 ルビーパーティーは、これまでに『アンジェリーク』、『遙かなる時空の中で』、『金色のコルダ』といった女性向け恋愛ゲームを展開してきたが、これらのゲームは“ネオロマンス”というシリーズ名で呼ばれている。記念すべきネオロマンス第1作となった『アンジェリーク』が発売されたのは、1994年9月23日。個性豊かな男性キャラクターたちとの恋愛が楽しめるという新たなゲームジャンルを打ち出し、多くの女性ゲームユーザーから支持され
» 【謎】テリー・ボガード「バーンナックル」のバンザイって何やってるの? 餓狼伝説開発者に聞いたら衝撃の回答 特集 ストリートファイター6の配信の盛り上がりで格闘ゲームが再び熱を帯びている今日この頃。格闘ゲームは、私(中澤)が子供の頃にゲーセンに登場したものだが、それ以来連綿と続いてきた歴史があるからこその今だと思うと、大会の優勝の瞬間とかマジで胸が熱くなる。 そんなスト6ではテリー・ボガードの参戦が話題だ。テリーと言えば、言わずと知れた『餓狼伝説』の主人公。格ゲームーブメントでカプコンと双璧を成したSNKからのキャラ参戦は90年代チルドレンならザワつかずにはいられない。スト6でも「バーンナッコォ!」が響き渡るのか。 そこで素朴な疑問を覚えた。そう言えば「バーンナッコォ!」の「バーン」の部分って、あれ何やってるの? ・バーンの部分 今さらにして思ったのだが、格闘ゲームの必殺技って基本技の出
2024年に最もヒットしたゲームといって過言でないのが「パルワールド」だ。無名のゲーム会社が世界的ヒット作を生み出せた背景には独自の開発手法があった。 「パルワールド」というゲームをご存じだろうか。2024年1月19日にリリースされるやいなや、1日で200万本の販売本数を記録した異例のインディーゲーム(独立系の小規模なゲーム会社がつくる作品)だ。24年2月時点のプレイヤー数は2500万人で、販売額は約692億円(1ドル=154円で換算)と推定される。 パルワールドでは、プレイヤーはパルパゴス島という世界を探索し、パルと呼ばれる100種類以上の生物を捕まえたり、戦わせたり、働かせたりしながらサバイバル生活を送る。仲間で協力してボスキャラと戦ったり、ほかのプレイヤーの拠点を訪れたりすることもできる。サバイバルゲームやクラフトゲーム、モンスター育成ゲームなどの魅力をかけ合わせた本作品は瞬く間に世
横山昌義氏(以下、横山氏): 『龍が如く』1作目と同じですよね、年代的な意味では。 ──今回、お話をうかがうにあたり、簡単な桐生の年表を用意してみたんです。年表を作って改めて思ったのが、桐生は自由な時間が本当に少なかったんだなと。 横山氏: すごいですね、こうやって見ると。ただ……まったく覚えてないんです。 ──いやいやいやいや(笑)。 横山氏: いや本当に。「そうか」って感じなんですよね。『龍が如く0 誓いの場所』(以下、『龍が如く0』)』を制作する際に、開発で年表を作ってみたら空いていたのが20歳のときしかなかったんです。 ──ちなみにAmazonのドラマでは、脚本に横山さんが関わっているのですか? 横山氏: もちろん監修はしてますが、ストーリー・脚本はSean Crouch(ショーン・クランチ)さんと中村勇吾さんが手がけています。おそらく脚本陣は「龍が如く」シリーズをものすごく理解し
シンガーソングライター岡崎律子の遺作にして、『ヤマノススメ』作者しろのデビュー作。 それが、今年で発売から20周年を迎えたアドベンチャーゲーム『シンフォニック=レイン』である。 工画堂スタジオによって生み出された本作は、音楽学校を舞台に、卒業課題の発表会を目指して、オリジナル曲の完成と歌のパートを担当してくれるパートナーを見つけることが目的のゲームであり、プレイヤーが選んだ選択肢だけでなく、ヒロインたちとのセッションの結果次第でエンディングが分岐する、ギャルゲーと音ゲーを融合させたような一風変わったシステムを持つ作品だ。 画像はシンフォニック=レイン ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)よりそのゲームコンセプトからもおわかりいただけるように、『シンフォニック=レイン』は “音楽” が物語の重要な鍵を握る作品であるが、その作中に登場する楽曲たちが、
『パルワールド』の社長が語るインディーゲームをヒットさせるポイント4つ。「市場」「大企業がやらないこと」「Mod」あとひとつは? 2024年09月11日 17時00分更新 文● 株式会社ポケットペア 代表取締役社長 溝部拓郎/編集● ファミ通ゲーム白書編集部、村野晃一(ASCII編集部) コンソールが強い日本においても、ようやくPCゲームが台頭してきた。その台頭を牽引する先導役が、SteamとXboxでダウンロードゲームを展開するインディーゲームのカリスマ企業、ポケットペアだ。同社の四作目『Palworld /パルワールド』は、総プレイヤー数2500万人本を超える大ヒットとなった(2024年4月現在)。同社・溝部社長に『パルワールド』成功の秘訣とインディーゲームの可能性を聞いた。 『パルワールド』が大ヒットした要因は 溝部社長(以下、溝部):事前にSteamのウィッシュリストを十分に獲得し
2024年9月12日、『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』が発売。 原作は1984年にPC版、1987年にファミリーコンピュータ版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』として発売されたものが現代のゲーム機向けにリファインされている。 画像や音楽が新しくなっているだけでなく、堀井雄二氏監修による新シナリオも付け加えられている。さらに、初回限定生産には早期購入特典として、当時の開発秘話が盛りだくさんの雑誌『LOGiN』風の資料集が同梱! 今回は堀井雄二氏にインタビュー! ……したところ、当時、『LOGiN』の編集者として本作の開発に大きく関わった塩崎剛三氏も同席してくれた。氏は何を隠そう『週刊ファミ通』の創刊にも携わった元週刊ファミ通編集長(2代目)で、東府屋ファミ坊という編集者ネームでも知られる。堀井氏とともに北海道取材し、さらにロシアまで行ったという氏の秘話が
1981年、サーテック社からApple II用ソフトウェアとして発売された3DダンジョンRPG『ウィザードリィ』。コンピューターRPGの始祖と呼ばれ、国内外、ゲーム業界を問わず、多くのクリエイターに影響を与えているタイトルである。 映画監督、演出家、脚本家の押井守氏も『ウィザードリィ』から強く影響を受けたクリエイターのひとりだ。日本のアニメーション史に燦然と輝く作品の数々を手がけてきた押井氏は、年季の入ったゲーマーであり、『機動警察パトレイバー』、『機動警察パトレイバー2 the Movie』、『アヴァロン』の劇中には、『ウィザードリィ』の多数オマージュが盛り込まれている。 そんな押井氏の『ウィザードリィ』愛は20年以上にわたって片思いの状態かと思いきや、実はお互いの想いを知らないままの両思いであったようである。『ウィザードリィ』の生みの親のひとりであり、作中に登場する“狂王トレボー”その
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