<「著作権法上の理由」で教材にモザイク、先行文献の引用が「剽窃」...。この奇妙ながんじがらめを後世の人はどう思うのか? 『アステイオン』101号より「『コンプライアンス』という正論」を転載> もう半年以上も前[編集部注:2024年11月時点]になるが、《不適切にもほどがある!》というテレビドラマが話題になった。 1986年からタイムスリップして現代の日本に来てしまった、「昭和」を絵に描いたような主人公が、両時代の価値観の激しい乖離のなかで巻き起こすトラブルを通して、「コンプライアンス」優先の現代社会の問題点を、宮藤官九郎流のコミカルなタッチで描き出したものだ。 このドラマが大きな反響を呼んだのは、何かにつけ「コンプライアンス」重視の「正論」に振り回されがちな現代社会のあり方に疑問をいだいている人がそれだけ多いということでもあろう。 もちろん、迷惑行為、不公平や差別がまかり通っていた時代を
