浦和敗北に狂喜する存在の出現を 【金子達仁】2007年11月01日 初めてサリア・スタジアムに入った時、まず驚かされたのは正面玄関に大きく書かれた落書きだった。 「ミランよ、4―0をありがとう!」 サリア・スタジアムは、バルセロナを本拠地とするもう一つのチーム、エスパニョールのホームスタジアムだった。ダービーマッチの熱さは無論知識としては知っていたが、日本人の感覚としては、同じスペインの代表、それも同じ街の代表が欧州CLに惨敗したことに狂喜する人間がいて、かつ、クラブ側が不法侵入と器物破損を問われてもおかしくない行為を黙認していることが、どうしても納得できなかった。 さて、日本サッカー界が抱える最大の弱点、それはこの国最大の人気チームが代表チームであるということである。その国最大のクラブのオフィスより、協会の方が立派なオフィスを構えている国など、見たことも聞いたこともない。 代表チームに