’22年1月某日、オタクの聖地、秋葉原は、黄昏時を迎え、コロナ禍だというのに約60名のコスプレ姿の女性たちが数m間隔で街頭に立っていた。 女子高生や忍者、軍服姿などで店の宣伝ビラを配る。猫耳カチューシャをつけ、メイド服の上に厚手のコートを羽織り、店の屋号が書かれたパネルを持って笑顔を振りまく。もはや見慣れた光景だ。 各店舗には条例により、店員二人が店前に立ったり、そこでビラを配る『客待ち』が許可されている。 街を歩く筆者に声をかけてきたのは、18歳のミキ(仮名)だった。寒空の下、ミニスカートにベンチコート姿の彼女がいた場所は、店前ではない。離れた場所で声掛けして店まで案内するなどの「客引き」は違法行為のハズである。 「コンカフェどうですか?」 そう呼び込む彼女に客引き行為について違法行為では? と問うと、彼女は言った。「店長に大丈夫だと言われている。だからお兄さん一緒に飲みましょう」と。
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