日本人の坐り方 (集英社新書) 作者: 矢田部英正出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/02/17メディア: 新書購入: 5人 クリック: 19回この商品を含むブログ (13件) を見る 矢田部英正『日本人の坐り方』集英社新書、面白い。 日本人の正座(正式な坐り方)が現在の形になったのは割と最近で、 歴史的にはもっと多様な「正座」があったという。著者の説はたしか朝日新聞でいぜん読んだことがあったけれど、まとまった文章で論証されると新鮮。「伝統的」とされる立ち居振る舞いも、実は時代精神や社会体制の変化によって形成されてきたものなのだ。 日本の着物の寸法は、寛永年間に女性の動きを不自由にする意図で(穿ち過ぎ?)定められたものだという。それまでの着物はもっとゆったり作られ、帯も細く、女性でも立て膝をついて楽に座ることができた。となると、和装に関しては「江戸時代の相対化」が活性化の鍵になる