南米ペルーの南海岸にある世界遺産「ナスカの地上絵」は、「世界8番目の不思議」といわれる。荒涼とした石と砂の台地に刻まれた無数の直線、幾何学文様、動植物の絵。誰が、何のために、どのようにして描いたのか。この謎の解明に挑んでいる坂井正人・山形大教授(文化人類学・アンデス考古学)は最近、現代のナスカでも地上絵が描かれていることを知った。 ナスカ台地は東西約20キロ、南北約15キロに広がる。1920年代から考古学調査が行われ、当初は直線や三角形、渦巻きなどの幾何学文様、その後、ハチドリ、オウム、コンドル、トンボ、サル、クモ、クジラ、花、樹木、海藻などの野生動植物の絵が次々と確認された。総数は1000点以上。 坂井さんは94年からナスカ地上絵を研究してきた。分布に何か規則性がないかと、2004年からは山形大の研究チームで人工衛星写真を精査して、全長65メートルの生物らしい図像を含め、100点以上の地
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