東京都の足立区南西部、都営日暮里・舎人ライナーで隅田川と荒川を超えてすぐの場所に扇という地区があります。 扇大橋駅を降りて住宅街を数分ほど歩くと、突如として現れるミニミニサイズの田んぼ。東京23区で生活をするなかで水田を目にする機会はほぼないので、見かけた誰もが意表をつかれることでしょう。 東京都産業労働局農林水産部「東京都農作物生産状況調査結果報告書(平成30年産)」によると、特別区部、つまり東京23区の農業産出額は「野菜」が3563(単位は100万円。35億6300万円)であるのに対して、「稲・麦類」は0です。報告書には「表示単位に満たないものは『0』で表記」とあるので、産出額が100万円にも満たないということなのでしょう。 行政によって管理されている農業体験用の水田などはいくつか存在しているようですが、先祖代々受け継がれ、農地として耕作されている田んぼはほとんど幻のような存在になって