商工会館(左)周辺に迫った津波。屋上の給水タンクの下に青山さんらとみられる人影が見える=3月11日午後3時40分ごろ、宮城県女川町鷲神浜(読者提供) 東日本大震災で港に面した中心市街地が壊滅した宮城県女川町では、津波による浸水が海抜約20メートルに達した。港周辺に立つ商業施設や公共施設はほとんど水没。津波は鉄筋の建物をなぎ倒すほどの威力で、多くの町民が逃げた高台の町立病院にも押し寄せた。町役場も最上階まで浸水し、町の防災無線は市街地が津波にのみ込まれている最中に途絶えた。(肘井大祐) ◎「まさか、ここまで」避難の車、次々と流された <噴出> 3月11日。最初の揺れが収まってから約30分後、宮城県女川町鷲神浜の女川町立病院駐車場で見た光景に、経営する港近くの中華料理店から避難してきた鈴木康仁さん(39)=女川町女川浜=は目を疑った。 はるか遠くの岬の先端にあった高さ6メートルの防潮堤を白