患者が列をなす発熱外来。車で待機する人の姿も=5日午前9時45分、沖縄・那覇市の曙クリニック(画像の一部を加工しています)
全3回連載 上)最悪の結果を招いた「上の指示」 中)SNSにデマ、県警の否定「遅かった」 下)ネット上に表出した差別意識 1月27日未明。沖縄市宮里の路上で、沖縄署に所属していた男性巡査(30)は職務質問のため、バイクを停止させようと伸ばした警棒を右手に持ち、左手で運転手につかみかかった。 その結果、バイクを運転していた男子高校生(17)は右目を失明した。 なぜこうした事態を招いたのか。 「事件発生時、上からは警棒を伸ばした状態で警ら(巡回)に当たるよう指示があった」。当時の捜査関係者の一人はこう明かす。 事件発生の前日、暴走バイクに乗っていた若者らが警戒中のパトカーにのぼりをぶつける事案があった。 通常は警棒を伸ばした状態で巡回はしないというが、「暴走族警戒のために署はかなりピリピリしていた」と振り返る。 事件発生時、男性巡査はバイクが集団で暴走しているとの通報を受け、伸縮式の警棒を伸ば
27日午後11時ごろから28日午前4時すぎにかけ、沖縄県警沖縄署を若者ら300人以上が取り巻き、石や棒、爆竹、生卵などを投げ付ける騒ぎがあった。若者らは「仲間が警察官に暴行された」と訴えている。 同署によると27日午前1時15分ごろ、沖縄市宮里の路上で、複数台のバイクによる暴走行為の通報を受けた警察官が警戒中、バイクに乗っていた男子高校生(17)=同市=と接触、その後高校生は右眼球破裂の大けがを負った。警察官は右腕にすり傷を負った。 当時男子高生と一緒にいたという友人の男子生徒(17)によると、暴走行為をしているグループがあると聞きつけ、沖縄市に見学に行った。 その後午前1時ごろ、同市宮里のコンビニでたむろしていたところ、警察官の姿を見た高校生が補導を恐れてバイクで逃げた。約20分後、生徒は現場から離れた場所で友人らに「警棒で殴られた」と連絡したという。 別の友人の男性(17)は「何もして
沖縄県内で新型コロナウイルスの感染者が急増し、保健所の業務が逼迫(ひっぱく)している。管内の感染者が最も多い中部保健所(沖縄市)では、1日の新規感染者数が300人を超える日が続出。本人への連絡が感染確認から6日も経過するケースもあり、その濃厚接触者の調査も遅れている。感染防止の要を担う保健所が今、窮地に追い込まれている。(社会部・山中由睦) 「勤務先にはもう連絡しましたか」「濃厚接触者に該当する方はいますか」-。保健所の3階で、二つの会議室をつなぎ合わせた臨時の作業部屋。保健所の職員らが新たな感染者へ次々と電話をかけていく。 部屋の中には20個以上の長机がずらっと並び、多くに固定電話が置かれている。壁に貼られた紙には「目標1日400件」。毎日400人の感染者に電話をかけ、体調を聞き取って注意事項を伝え、濃厚接触者を把握するのが今の目標となっている。 電話は朝から夜まで続く。職員らは聞き取っ
直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者が444・85人と、感染が拡大する沖縄県内でも突出した宮古島市。座喜味一幸市長は18日の記者会見で「世界最悪の感染地域となった」と危機感をあらわにした。市は移入例の増加傾向に懸念を示し、観光客らに緊急メッセージを発表。「宮古島は感染が深刻化している。緊急事態宣言中の来島はやめていただきたい」と強く求めた。 厚生労働省検疫所の世界の状況報告(2日からの1週間)によると、主要国で人口10万人当たりの新規陽性者数が最悪のマレーシアは403・4人。単純比較はできないが、宮古島市はこれを超えている。 ■観光客、前年比57%増加 市への4~7月の入域観光客数は、前年同期比57%増の12万8700人に上っている。18日時点で、市内の宿泊施設では観光客4人が療養しているという。 市の担当者は、ルールを守らず酒類を提供している飲食店での感染が深刻化していると説明。接
群星沖縄臨床研修センターの徳田安春医師や、世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務めた渋谷健司医師らは10日、県の疫学統計・解析委員会による新型コロナウイルス感染状況に関するデータ分析や解釈に「不備が多数ある」とする意見書を発表した。
玉城デニー知事は4日、記者会見を開き、国が新型コロナウイルスの緊急事態宣言地域に優先配分する意向の英アストラゼネカ製ワクチンについて「ニーズがない」として国の打診を断ったと明らかにした。 知事によると、河野太郎行政改革担当相からアストラ製ワクチンの優先配分を希望するか、問い合わせがあったという。 ▶アストラ製、希望3%足らず 緊急事態地域 ▶アストラ製 沖縄に100回分 県「希望した数量」 ▶県のワクチン計画と市町村の接種率【一覧表】 希望しなかった理由について、知事は(1)アストラ製は接種の間隔が8週間で、3~4週間のファイザー製やモデルナ製よりも接種完了が遅くなる可能性がある(2)対象が原則40歳以上のため、接種会場での運用が複雑になる恐れがある(3)職域接種を希望する県内企業からアストラ製の希望がない-を挙げた。 アストラ製は...
沖縄県立中部病院の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)公表遅れ問題を巡り、県専門家会議の委員で同院の高山義浩医師は5日夜の会議で、委員を辞任する考えを表明した。 出席者によると、高山医師は辞意の理由について「新たな感染症への対策には信頼関係が大事だ。会議の委員としてさまざまな情報発信をしてきたが、今回の件で自分の発するメッセージがそのまま伝わらない感覚がある。委員継続は適切でないと考えた」という趣旨のことを述べたという。 県立病院を所管する県病院事業局は、病院側がクラスター公表の記者会見を取りやめたきっかけとなった同局の6月10日のメールに関し、高山氏の「公表基準を満たさない」とする助言が関係したと説明していた。 一方、高山医師は7月5日の県議会文教厚生委員会で「基準を満たさない」ことと同時に、公式ホームページや県保健医療部の記者会見で速やかに公表すべきだとも助言していたと説明。
沖縄県病院事業局の我那覇仁局長は6月30日の県議会一般質問で、県立中部病院(うるま市)で、5月25日以降に計50人(入院患者36人、職員14人)の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生していたことを明らかにした。うち、6月29日時点で患者16人が死亡した。亡くなった患者は基礎疾患があり、死亡とコロナ感染の関連は調査中。 照屋守之氏(沖縄・自民)に答えた。照屋氏は「重要な情報を隠した玉城デニー知事の責任は大きい」と追及。大城玲子保健医療部長は「発生後、病院側の調査などが続けられてきた。県の基準において発表はしており、決して隠蔽ではない」と述べた。 中部病院に関する県の発表は「うるま市内の医療機関で5人のクラスター発生」(6月2日時点)にとどまり、死者数は16人中6人を公表していた。 関係者によると、現在、クラスターは収束している。病院は県側にクラスターの状況を報告していたという。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自宅や高齢者施設に看護師が訪れて感染者の健康状態をチェックする訪問看護は、自宅療養者や入院調整中の患者の命を守る「最後のとりで」ともいわれる。病床逼迫(ひっぱく)が続く中、訪問看護の現場では、医療施設の負担を補いながら在宅患者に対応するため、懸命な取り組みが続いている。(社会部・玉城日向子) 「逼迫した医療に余裕をつくることが僕らの役割。手探りだができることはやるつもりだ」。うるま市の「訪問看護リハビリステーションhappiness(ハピネス)」で看護師として働く宇茂佐勇磨さん(27)は、訪問看護を担う意気込みをそう語る。 毎日、感染者の自宅や入所施設に防護服を着て訪問。患者ごとに防護服やフェースガードを取り換え、「せきはないか」「息苦しさは」と声を掛けながら、患者の体調の変化や呼吸状態が正常かを確認する。 現在、主に診ているのはクラスターが発生した高齢者
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、沖縄県内の医療機関で一般診療への影響が出ている。救急外来の受け入れ制限を始めた浦添総合病院の福本泰三院長が本紙のインタビューに応じ、看護師が大量退職し、一般診療を縮小せざるを得ない現状を明らかにした。県はコロナ病床の増床を医療機関に求めているが、「これ以上一般診療を削れば医療崩壊になる」と強い懸念を示す。(社会部・山中由睦) 同院は334の病床を持ち、年間で外来患者約12万人、救急患者約2万人が来る地域の医療拠点。県に伝えている計画では、コロナ病床は最大31あり、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(エクモ)が必要な重症患者は16人受け入れ可能だ。 昨年4月7日~今年4月13日に受け入れたコロナ患者は計213人。40人が人工呼吸器の治療を受け、このうち2人はエクモも使った。今月15日時点で重症病床に4人、中等症病床に8人が入院。コロナ病床の利用率は4割未満で、まだ
沖縄県内の新型コロナウイルスの直近1週間(7月25~31日)の感染者数が人口10万人当たり15・31人で、全国最悪となった。全国最多の感染者数の更新が続く東京都の14・38人、大阪府の12・95人を上回った。 沖縄県が8月1日、発表した。
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