保湿剤のワセリンをあらかじめ皮膚に塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症を予防できる可能性があるとする論文を理化学研究所などのグループがまとめた。マウスによる実験だが、人でも似たしくみがある可能性があり、研究チームは「アトピー性皮膚炎になりやすいことが発症前にわかれば、予防につながるかもしれない」としている。 理化学研究所研究嘱託の吉田尚弘医師らのグループが、25日付の米科学誌(電子版)に発表した。 アトピー性皮膚炎を発症しやすくしたマウスを使い、発症の経過を調べた。生後8~12週で発症。その前から皮膚の角質がはがれやすくなるなど、皮膚を保湿し保護する機能が低下していることがわかった。 一方で、発症前の生後4週から1日おきに、このマウスで一番最初に症状が出やすい耳の部分にワセリンを塗り続けたところ、保護機能が改善。炎症を起こす細胞が皮膚に集まるのを防ぎ、長期にわたって発症しなかったという。(竹
理化学研究所は4月26日、アトピー性皮膚炎の原因遺伝子を突き止め、ワセリンを塗ると発症を予防できる可能性があるとの研究成果を発表した。新たな治療法や予防法の確立につながるという。 アトピー性皮膚炎の発生メカニズム。JAK1の遺伝子配列に異常が発生した結果、連鎖的に酵素が活性化し、最終的にプロテアーゼに影響。角質の保湿効果を低下させる。 アトピー性皮膚炎を自然発症するマウスを作製し、病気の原因となる遺伝子変異を調べたところ、細胞の増殖や分化に必要なたんぱく質「サイトカイン」を伝達する「JAK1」分子の遺伝子配列に突然変異が生じていることを発見した。JAK1の異常が角質をはがす酵素「プロテアーゼ」にも影響し、角質による保湿効果が低下することで、アトピー性皮膚炎を招く――というメカニズムを解明した。 こうしたマウスの表皮に、JAK1の働きを阻害する薬剤や、保湿効果を高めるワセリンを塗布したところ
熊本地震では、自閉症など発達障害を持つ子供やその家族の多くが、トラブルを恐れて避難所に入れず、車や自宅での生活を強いられている。行列に長時間並べず、食料や水の配給すら受けられない人も。東日本大震災で同様の問題が多発したため、厚生労働省などは必要な対応をパンフレットにまとめたが、教訓が生かされたとは言い難い。 【特設ページ】熊本地震 最新情報 被災による環境変化に対応できない発達障害の人は、共同生活になじめずパニックを起こしたり、大声を上げたりすることがある。制止や叱責が混乱を助長する場合もあり、周囲の理解と支援が必要だ。 「『物資が欲しければ避難所に入ればいい』と門前払いされた。入れないから苦しんでいるのに」。発達障害の息子(15)がいる熊本市の岡田丈二さん(50)は悔しそうにつぶやいた。16日未明の本震でライフラインが止まったが、地震におびえ落ち着きをなくした息子を見ると、周囲への迷惑
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