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ブックマーク / maga9.jp (6)

  • 第564回:相模原事件から5年。の巻(雨宮処凛)

    もうすぐ、7月26日がやってくる。 5年前のこの日、相模原の障害者施設に男が押し入り、19人を殺害。26人が重軽傷を負った。逮捕されたのは施設の元職員の植松聖。当時26歳。「今、やまゆり園で起きた事件の犯人は私です」と津久井署に自首した植松は、「どうしてこういうことをしたのか」と問われ、「世界平和のためにやりました」と答えている。 あの事件から、5年。先月、建て替え工事中のやまゆり園を訪れた。事件の時とは様変わりした建物で、7月はじめには完成したようだが、この国の人の多くはすでにあの事件を忘れてしまったような気がするのは私だけではないだろう。 昨年1月に始まった裁判はわずか16回の公判で終了し、昨年3月、植松は確定死刑囚となった。 なぜ、あのような事件が起きたのか。その解明がなされたとは決して言えないのに、あっという間に終わってしまった裁判と、確定した死刑。植松は第一回目の緊急事態宣言が出

    第564回:相模原事件から5年。の巻(雨宮処凛)
  • 第477回:「マイバースデイ」とスピリチュアリズムと子宮系と「ゆるふわ系」愛国。の巻(雨宮処凛)

    私が中高校生の頃、「マイバースデイ」という雑誌が流行っていた。 中高生の頃と言えば、30年近く前。思えば昭和の終わりを迎えたのは中学2年生の頃だった。 「マイバースデイ」を自分で買ったことはない。私のおこづかいでは、他に漫画なんかを買ってしまうと雑誌一冊買う余裕なんてとてもなかったからだ。そんな「マイバースデイ」には、少女の大好物がすべて詰まっていた。正統派少女漫画風の表紙。占い。「両思いになれる」「願いが叶う」おまじない。西洋占星術。ホロスコープ。星座。タロットカード。予知夢。超能力――。神秘的で魅惑的で、だけどとびきり怪しい異世界。友人の家なんかにあると、ドキドキしながらページをめくったものだ。 突然そんなことを書いたのは、『占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ』(橋迫瑞穂 青弓社)というを読んだからだ。タイトル通り、マイバースデイを研究したである。なぜ

    第477回:「マイバースデイ」とスピリチュアリズムと子宮系と「ゆるふわ系」愛国。の巻(雨宮処凛)
  • 第444回:「なぜ、セクハラはいけないのか」という本質が理解されてないっぽいという大問題。の巻(雨宮処凛)

    ホーム 雨宮処凛がゆく! 第444回:「なぜ、セクハラはいけないのか」という質が理解されてないっぽいという大問題。の巻(雨宮処凛) 財務省の福田事務次官が、セクハラを認めないまま辞任した。 問題発覚当初、財務省はよりによって被害者に名乗り出ろなどと言い出して大きな顰蹙を買ったが、このように被害者を恫喝するような最悪の対処法を見ると、セクハラが力関係の問題であることがまったく理解されていないということがよくわかる。そんなことに悶々としていたところ、朝日新聞4月17日夕刊「オトナの保健室」で、田房永子さんが描いた漫画を読んだ。 セクハラについての漫画で、田房さんは、セクハラをする人のことを「女のことは人間だと思ってない人」だと思っていたと書く。が、「こちらも人間なんです 人として扱ってください」と訴えるものの、反応は「? 大げさだなァ」というもの。そんな男性に対し、田房さんは「『人間扱い』す

    第444回:「なぜ、セクハラはいけないのか」という本質が理解されてないっぽいという大問題。の巻(雨宮処凛)
  • 第441回:金沢市役所の刺傷事件と、生活保護打ち切り。の巻(雨宮処凛)

    森友文書の書き換え問題でいろいろと大変になっている中、とても気になるニュースを耳にした。 それは3月14日、金沢市役所で職員4人が刺されたという事件だ。逮捕された33歳の男性は、大声を上げながら3階と5階のトイレなどで4人を次々と襲い、7階で取り押さえられたという。「市の職員だったら誰でもよかった」と話しているという容疑者について、「昨年生活保護を打ち切られ、再び受けられるよう市役所に相談していた」という報道を耳にし、「ああ…」としばし言葉を失った。 まず思い出したのは、昨年1月、小田原市役所で起きた「保護なめんな」ジャンパー事件(コラム第402回、第403回)だ。生活保護を担当する市の職員が、「保護なめんな」「不正受給はカス」などと書かれたお揃いのジャンパーを着て業務をしていたことが発覚し、大きな批判を浴びた事件。このジャンパーが作られたきっかけは、2007年、生活保護を打ち切られた男性

    第441回:金沢市役所の刺傷事件と、生活保護打ち切り。の巻(雨宮処凛)
  • 第430回:私が「死にたい」と言ってた頃〜座間の9人殺害事件を受けて〜の巻(雨宮処凛) | マガジン9

    11月9日、共同通信の取材で神奈川県座間市のアパートを訪れた(記事は配信されているので読める方はぜひ)。 9人の遺体が発見された、あのアパートである。 線路沿いのアパートは若者が好みそうな小綺麗な建物で、通りを隔てた場所には花やお菓子や蓋を開けたペットボトルのジュースなどが供えられていた。線路のわきには一面のススキが風になびいていて、近所のがそれにじゃれついていた。秋晴れの、のどかな午後。しかし、アパートに張り巡らされた警察の黄色い規制線と、2階の外廊下を覆うブルーシートが、ここが事件現場であることを伝えていた。 20代の頃、私は自殺系・自傷系サイトのオフ会にたびたび参加していた。2000年頃、ネットが普及し始めたばかりの時期の話だ。参加者の多くが10代、20代の女性。居酒屋で数十人がわいわい語る光景は、端から見たらただの若者の飲み会に見えたと思う。だけど、ほとんどの参加者の手首にはリス

    第430回:私が「死にたい」と言ってた頃〜座間の9人殺害事件を受けて〜の巻(雨宮処凛) | マガジン9
    and_hyphen
    and_hyphen 2017/11/18
    「死にたい」って口に出すと少し楽になるの、わかる。何も考えたくないししがらみと責任とか感情とか色々な関係性から逃れるために使われる言葉だ。
  • 第424回:もし、冤罪で捕まったら〜「死刑執行は正しかったのか」から考える〜の巻(雨宮処凛)

    あなたは死刑制度に賛成だろうか、それとも反対だろうか。 この国では、死刑に賛成する人の割合は約8割だという。それほどの人が「必要」だと思う死刑制度。が、被害者感情などは多く語られても、制度そのものの「欠陥」が語られることはあまりない。 なぜ、そんなことを書いたのかというと、ある番組を見たからだ。それは9月3日に放送された「NNNドキュメント′17 死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える」。 飯塚事件とは、1992年、二人の女児が殺害された事件。その犯人として逮捕されたのが、久間三千年氏。逮捕された彼は一貫して無実を訴えていたものの、06年に死刑が確定し、08年、死刑が執行される。 しかし、死刑執行されてから、重要な証拠のひとつに疑惑が浮上するのだ。それがDNA鑑定。当時のDNA鑑定の手法であるMCT118型鑑定の信憑性が大いに揺らぐのである。ちなみに、同じ鑑定方法を用いて有罪

    第424回:もし、冤罪で捕まったら〜「死刑執行は正しかったのか」から考える〜の巻(雨宮処凛)
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