概説 粘菌数理モデルが最短経路を求める様子をgif動画にしてみた 粘菌ネットワークとは 粘菌は餌が近くにある時、自身の体で栄養を運ぶ管のネットワークを構築します。そのネットワークはしばしば餌場間の輸送効率の良いネットワークを構築することが知られています。そんな粘菌のふるまいにヒントを得て中垣俊之らによってつくられたのが粘菌数理モデルです。中垣らはこのような粘菌に関する研究によって2008年と2010年に栄えあるイグノーベル賞を受賞しています。 Norty Edwards, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons 粘菌数理モデル 粘菌ネットワークでは、粘菌の体を$N$個の頂点(ノード)とそれどうしをつなぐ栄養管(エッジ)から構成されるグラフとみなします。ある頂点が栄養の供給源(餌,Source)上にあり、他のある頂点を栄養を消費する場所(Sink)とします。餌