「飛び鉋」や「打ち刷毛目」などの独特な装飾をもつ小鹿田焼きは、素朴な味わいで日常使いの器として古くから人々に愛されてきました。水力を利用した全国でも珍しい臼で地元の土を突き陶土を作り、一つ一つ丹念に形作られた後、登り窯にて焼成されています。 小鹿田焼き独特の黄色い土は集落全体の地質から採れる陶土の色。原土を乾燥させ、唐臼で2週間程度かけて搗き、また水分を除いてから一ヶ月以上もかけて作られる粘土。ひとつひとつの工程を丁寧に時間をかけて作られた小鹿田焼きは、使い込むほどに色や風合いが増してくる味のある器です。 小鹿田焼きは大分県日田市の山あいの里に小石原村の陶工を招いて 1705年に開窯され、以来伝統の文化や製法を10軒の窯元の人々が一子相伝で今日まで守り続けています。昭和の始めに民芸運動の創始者・柳宗悦が小鹿田焼きを絶賛し人々に広め、また昭和中期には英人陶芸家バーナード・リーチによって世界に