日本の台湾統治を取り上げた番組に偏向・歪曲(わいきょく)があったとして、視聴者らがNHKを相手取り、損害賠償請求の訴訟を起こした。 問題の番組は4月5日に放映されたNHKスペシャル「アジアの“一等国”」である。原告には台湾人も含まれている。「取材に応じた台湾人の話を一方的に都合良く編集している」と指摘し、具体的に台湾統治下の暴動を「日台戦争」と表現したり、先住民族を日英博覧会(1910年)に出演させた企画を「人間動物園」と表現したりしたことを例として挙げている。 いずれも聞き慣れない言葉だ。それをあえて使ったNHK側に戦前の日本と台湾の人々に対する悪意と偏見がうかがわれる。 NHKの取材に協力したのは旧制台北第一中学の卒業生たちだ。日本の良い面も悪い面も話したのに、悪い面だけが放送された、NHKにだまされた、などと訴えている。法廷では、NHKがどんな取材を行い、どう編集したかも明らかにして