73年前の今日(8月15日)、終戦を迎えた太平洋戦争が、経済体力を無視した戦争だったことはよく知られている。戦争は日常的な経済活動の延長線上に存在するものであり、豊かな消費経済や活発な金融市場を持たない国は圧倒的に不利になる。今回はあらためて当時の日米の体力差について考えてみたい。 経済の基礎体力をはるかに超えた戦争 太平洋戦争の遂行が、日本の基礎体力をはるかに超えたものであることは、戦争に投じた費用の大きさを見れば一目瞭然である。 日中戦争を含む太平洋戦争の名目上の戦費総額(一般会計と特別会計)は約7600億円だが、これは日中戦争開戦時のGDP(厳密にはGNP)と比較すると約33倍、当時の国家予算(一般会計)に対する比率では280倍という、天文学的数字である。 もっともこの金額は、占領地で乱発した現地通貨や軍票(約束手形の一種)の価値毀損によって膨れ上がっており、現地のインフレ率などを考