【カンボジア、タイ】カナダのケベックで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は8日、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡「プレアビヒア(タイ側呼称、カオプラウィハーン)」を世界遺産に認定した。タイではプレアビヒアの世界遺産登録を阻止すべきという世論が高まっていただけに、カンボジアとの協調路線を進めたタイ政府への風当たりが強まっている。 プレアビヒアはカンボジアのクメール王国が11―12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。しかし、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっていた。 カンボジアは昨年、プレアビヒアを世界遺産に申請したが、当時のタイ軍事政権が「国境問題が解決していない」として横槍を入れ、審査が見送ら