「揺らぎの世代」と呼ばれる僕らがようやく自我を形成して至る今日において、僕らは自分達がこの日本社会に誕生してしまった背景を僕ら自身によって考えていかねばならない時が来たのだと感じている。 崩れてしまった家族制度の中で息吹いた僕らの命にどれだけの価値があるのか、僕らが生を得た事にどんな意味があるのか。ただそれだけを知りたい一心である。 今世紀初頭において、ある文化が熱狂的に騒がれることになったのがそもそもの事の発端である。今となっては事は世界規模の問題となり、その文化に対する当時のマスメディアの対応等が槍玉に上がることは珍しくない。 空前のキャラクターブーム。それは若い男女を未曾有のバイオハザードの如く襲い、劇的なスピードで蔓延していった。前世紀末頃までは蔑視の対象であったその文化は、2010年代においては生活文化レベルを変容するまでに至ったのだ。誰もが虚構の世界に息衝く平らな姿をした人物達