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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/semi_colon (17)

  • 体細胞クローンにより免疫不全ブタが作られる - 蝉コロン

    科学, 動物農業生物資源研:免疫のないブタできた…新薬研究で活用へ? 毎日jp(毎日新聞)というニュースがあって、どうやって作ったのか興味があって論文を読んでみました。というのもマウス以外の動物では「特定の遺伝子の機能を失わせる」のは難しいのです。マウスだったらES細胞で相同組換えして動物を作ればいいのだけれど、他のは(実質的には)ES細胞がないからね。 雑誌はCell Stem Cell。有名なCellの姉妹誌です。比較的近年に創刊。Cellの姉妹誌にはMolecular CellとかDevelopmental Cellとかあるので「なんかCellが幹細胞関連の雑誌を新しく出すらしい」という情報が出たときは、どんな名前になるのか噂されてたそうです。Stem Cellか?いやでももうStem Cellsという雑誌があるからなあなどと*1。ふたを開けてみたらCell Stem Cellという

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    aont 2012/12/25
  • 「アトピー慢性化の原因たんぱく質を発見」という報道の論文を読んでみました - 蝉コロン

    科学アトピー性皮膚炎慢性化 原因を解明 NHKニュース個人的な事情でこういう脳天気な見出しには反射的に怒りを覚えるのですが論文は面白かったです。とは言っても基的にはまだマウス実験なので、臨床的にはこれからですケド。 論文:Periostin promotes chronic allergic inflammation in response to Th2 cytokines Miho Masuoka, Hiroshi Shiraishi, Shoichiro Ohta, Shoichi Suzuki, Kazuhiko Arima, Shigehisa Aoki, Shuji Toda, Naoki Inagaki, Yuichi Kurihara, Sayaka Hayashida, Satoshi Takeuchi, Kenta Koike, Junya Ono, Hirokazu

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    aont 2012/06/12
  • DNAでもRNAでもない新たな遺伝物質XNAについて - 蝉コロン

    科学遺伝、進化できる物質作製に成功 生命起源や研究に貢献 - 47NEWS(よんななニュース)進化するだなんだ言っていますが、どうなんでしょう。実際の論文はこちら。 Synthetic Genetic Polymers Capable of Heredity and Evolution さて、DNAの構造はこんな感じです。http://en.wikipedia.org/wiki/File:DNA_chemical_structure.svgデオキシリボースという五炭糖(図中オレンジ)がリン酸(図中黄色P)を介して連なっていて、AGCTの塩基が枝みたいに伸びています。二鎖の相補対が点線で結ばれてます。ちなみに図でバックボーンと書かれているように、塩基がなくても縦のリン酸結合の数珠つなぎ自体は壊れない。DNA二鎖だったらそういう塩基のない部分は歯抜けみたいになりabasic siteと呼ば

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    aont 2012/04/23
    変異が多いってことは悪い方への変異も多いってことだよねぇ。癌とか。
  • サルのキメラが作られる - 蝉コロン

    科学Cell - Generation of Chimeric Rhesus Monkeys Cell論文。アメリカのチームだけど1stは日人だ。 アカゲザルで凝集キメラ。受精卵から2回分裂した4細胞期の細胞をバラして混ぜる方法です。結果、三匹のキメラサルが生まれました。その名はRokuとHex。日語とギリシャ語の6。キメラ1匹に6つの胚を使っているからですね。そしてChimero。キメ郎? キメラについて細胞の多能性(巷で万能細胞とか言われているやつの"万能")というのを考えた場合、まず受精卵は発生すると一個体になれるので多能性を持っています(特にこの場合は全能性という)。発生が進んで二分裂した細胞の場合はどうでしょう。一卵性双生児の例があるように、それぞれの細胞が受精卵のときと同じように発生します。4細胞期でもそれぞれが独立して発生できたと思います。8ではもう一個ずつとしては発生で

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    aont 2012/01/06
  • 不登校の多くは慢性疲労症候群が原因か - 蝉コロン

    医療via ’1 in 100 children may have chronic fatigue syndrome’ - NHS Choices - Health News 慢性疲労症候群(CFS)、原因不明の強い疲労が長期にわたって続く疾患です。気分障害や不安障害とは分けられます。筋痛性脳脊髄炎(ME)とも呼ばれます。ウイルスとの関連も指摘されていたのですが、今年ちょっといろいろあって(当ブログでも取り上げました「疲労ウイルス」の否定 - 蝉コロン)、ウイルス性なのかという点ではコンセンサスが今どうなっているのかよくわかりません。CFSという疾患自体は間違いなく存在します。 オープンアクセス誌BMJ Openの論文:Unidentified Chronic Fatigue Syndrome/myalgic encephalomyelitis (CFS/ME) is a major ca

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    aont 2011/12/28
  • 秒速3.4センチメートルで垂直に壁を登るヤモリロボット - 蝉コロン

    via Nature News Blog: ‘Gecko robot’ walks up walls カナダのブリティッシュコロンビア州(どこだよ)サイモンフレーザー大学による研究。ヤモリにヒントを得た接着キャタピラで垂直に壁をよじ登るのだ。秒速3.4センチメートル。 論文:A tailless timing belt climbing platform utilizing dry adhesives with mushroom caps Smart Materials and Structuresという雑誌。論文タイトルにある"tailless"ってのは、体を吊るすようなワイヤ等が無いよーちゅうことみたい。確かに、せっかくのロボでも事前にワイヤをセットしておかなきゃいけないとなったら何だかなだものね。目的の一つは"人間が入れない所で作業するロボット"だろうし。 ヤモリがファンデルワール

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    aont 2011/12/28
  • 全てのウイルスに効く薬とかいう論文 - 蝉コロン

    書かないつもりだったんだけどまあ一応。 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0022572no title論文の全体的な印象としてコンセプトはわかったから具体的に何を使って何したのか分かりやすく書いといて欲しいと思った。まあこれは僕の読解力の問題かもしれない。だが少なくともAbstractだけでは何したのかわからんな。 広範囲のウイルスに効くという触れ込み。Double-stranded RNA (dsRNA) Activated Caspase Oligomerizer (DRACO)と名付けている。その実体はdsRNAを認識するドメインとアポトーシスを誘導するドメインをくっつけた大腸菌組換えタンパク質。 病原体として知られているウイルスはRNAが多い。んで、RNAウイルスは自己増殖するとき

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    aont 2011/08/23
  • シナモンとアルツハイマー - 蝉コロン

    科学イスラエルのテルアビブ大学の研究チームによる、しなもん抽出エキスでアルツハイマーの進行を抑制できるという論文。 PLoS ONE: Orally Administrated Cinnamon Extract Reduces β-Amyloid Oligomerization and Corrects Cognitive Impairment in Alzheimer’s Disease Animal Models 「緑茶 アルツハイマー」でも「ポリフェノール アルツハイマー」でも「カレー アルツハイマー」でも「コーヒー アルツハイマー」でも「りんご アルツハイマー」でも検索したら似たようなのがヒットしてくるけど、我らのしなもんも参戦です。 論文によると、しなもんは、one of the oldest herbal medicinesとのことで聖書の一節にも記載があるのだそうです。出エジ

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    aont 2011/07/22
  • 光で遺伝子のスイッチをオンオフ - 蝉コロン

    科学A Synthetic Optogenetic Transcription Device Enhances Blood-Glucose Homeostasis in Mice これまでにも薬剤を使った遺伝子発現スイッチシステムはあったのだけれども、それを光の照射でやろうという話。オプトジェネティクス(光遺伝学)という最近急成長中の技術だとか。 オプトジェネティクス――それは、光学と遺伝学を組み合わせた、まったく新しい格闘技である。うおおおおおおおおぉぉぉーーーーーーっ! メラノプシンという光感受性タンパク質がある。7回膜貫通型のGタンパク質共役受容体。これは体内時計の研究でも重要なんだけど、今回はツールとして使います。 論文では、ブルーライトをあてるとGLP-1が発現するという細胞を作っている。GLP-1はインクレチンとして知られる消化管ホルモンで2型糖尿病の治療薬としても使われる。

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    aont 2011/06/28
  • 生きてる細菌を認識する免疫システム - 蝉コロン

    科学生ワクチンいらなくなるかな。 紹介記事:Nature Highlights: 細菌が生きていることを示すvita-PAMP(要登録)論文:Detection of prokaryotic mRNA signifies microbial viability and promotes immunity : Nature 生ワクチン生ワクチンと不活化ワクチンがある。生ワクチンは弱毒化した病原体(細菌・ウイルス)そのもの、不活化ワクチンは殺したやつか、構成成分の一部で、リアル病原体に対する免疫の賦与を期待する。生きてる病原体の方が免疫反応を誘導する効果が高い。生きてると感染と増殖を繰り返してワッショイワッショイ病原性を発揮するからかと思いきや、弱毒化・無毒化しても生の方が強い。だから生ワクチンが使われる。抗原性なら死んでても一緒だと思うのにな。生きていることそのものに何か要因があるのかも、と

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    aont 2011/06/23
  • 腫瘍は自前で血管を用意する - 蝉コロン

    科学, 医療Tumours grow their own blood vessels : Nature News Glioblastoma stem-like cells give rise to tumour endothelium : Nature Tumour vascularization via endothelial differentiation of glioblastoma stem-like cells : Nature 腫瘍とて細胞なので栄養や酸素の供給が必要だ。もちろんこれは血管を介して行われる。これまで腫瘍の中にある血管は、宿主由来っていうか腫瘍の周囲から引き込んでいると考えられてきた。既存の血管が枝分かれしてニョキニョキ生えてくるのを血管新生というのだけれど、がん細胞は血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) を産生して、血管よ伸びてこいщ(゚д゚щ)と促している。そ

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    aont 2010/11/25
  • ハエは同じエサを食った者同士で交配する - 蝉コロン

    生殖, ゲノム, 科学バイオの世界ではよくショウジョウバエが実験モデルとして用いられています。 さて、1980年代頃の研究からこのショウジョウバエについて以前より不思議な現象が知られていたそうです。ある集団を二つに分けて数世代を別々のエサで飼います。そんで、両者を再び混ぜると、なんと同じ釜の飯をった雌雄同士が交配する場合がほとんどなんだそうです。 そして最近、この理由らしきものが判明しました。Commensal bacteria play a role in mating preference of Drosophila melanogaster ? PNAS 片方を糖蜜で、もう片方を澱粉で飼います。するともう次の世代からは、混ぜちゃっても糖蜜ハエは糖蜜ハエ同士、澱粉ハエは澱粉ハエ同士交配するのです。そして、ハエを抗生物質処理して中の微生物を殺すと、その選り好みは消失してしまうのだ! 抗

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    aont 2010/11/20
    へ〜おもしろい!
  • 睡眠時間に関わる遺伝子? - 蝉コロン

    科学, ぼやぼや論文ではなくてthe American Society of Human Geneticsでの学会発表なようだけれども。The Gene for Zzzzzzzz - ScienceNOW 4260人(ヨーロッパ7カ国)について睡眠について質問すると共にDNAサンプルを採取した。そんで数千の遺伝子マーカーについて、何か睡眠と関連したのはないかなーと調べたところ、ABCC9というのが見つかった。ATP-binding cassette, sub-family C member 9でABCC9。幹細胞やってる人とかはABCトランスポーターをご存知かと思うけれど、あれの仲間でカリウムチャネル。この遺伝子について、あるタイプの人らは別のタイプの人らより睡眠時間が平均して6%短い。つまり7.5時間対8時間の違いがでてくるのだとか。で、ショウジョウバエでこの遺伝子を潰すとやっぱり睡眠

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    aont 2010/11/19
  • ドラえもんっぽいロボットの手が開発される - 蝉コロン

    Universal robotic gripper based on the jamming of granular material ? PNAS Cornell Chronicle: Universal robotic gripperロボットの手、いろんなものを持てるようにするにはやっぱり人間の指みたいな作りが良いかと思いきや、なんかドラえもんのゴムマリの手みたいのが現れた。中にコーヒーの粉が詰まってるとかなんとか。マジか。これを対象物にギュッと押し当てるとうまい具合に形が変わってフィットする。で多分バキュームで吸引する力で持ち上げている。なんかシンプルすぎるぞ。ホントかな(俺の解説が)。お掃除ロボットルンバで知られるiRobot社とのコラボ。

  • 2010年イグ・ノーベル賞の論文いくつか - 蝉コロン

    科学 有名な粘菌はいいとして、その他の受賞した研究を見てみました。部門と受賞内容は「粘菌で交通ネットワーク計画」などにイグ・ノーベル賞 - スラッシュドット・ジャパンから引用しました。 工学賞:鯨の粘液を集める最良の方法はリモコンヘリコプターを使うことだと実証したA novel non-invasive tool for disease surveillance of free-ranging whales and its relevance to conservation programs - Acevedo-Whitehouse - 2009 - Animal Conservation - Wiley Online Library非侵襲性とかかっこいいこと言ってるけど、クジラの潮吹きを回収して病原微生物を検出するということらしい。8種のクジラから22サンプル取って、こんな細菌いましたと

  • コンピューターはクラッシュする。生物はしない。話のわかるやつだ。 - 蝉コロン

    科学Linux vs. Genome in Network Challenge | Wired Science | Wired.comコンピューターのシステムは脆弱である。生物は頑強だ。エヘンエヘン。no titleゲノムをOSと見立てて、大腸菌(E.coli)とLinuxの情報ネットワークを比べてみた。 大腸菌の転写制御ネットワークはピラミッド型。少数のマスタースイッチ的な遺伝子がトップにあって、中腹にmiddle managersがいて、裾野には互いにindependentに働く多くの機能が存在する。Linuxのコールグラフ(プログラムコードのネットワーク)はどちらかというとひっくり返ったピラミッドであたまでっかち。トップにたくさんのプログラムがあって、そんなに多くないサブルーチンを呼び出している。モジュールがいっぱいあって高度にオーバーラップしている。船頭が多くてワーワー言ってるうち

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    aont 2010/06/07
  • 新型インフルエンザにあんまりひどいめにあわずに済んだ理由 - 蝉コロン

    季節性インフルエンザ。毎年流行る、ヒトの免疫をくぐり抜けられる抗原性が変化したウイルスが選択され続ける。新型インフルエンザ。ブタからでてきたばっかりの新人。ヒトの免疫からの攻撃を初めて受ける。 ウイルスv.s.免疫機構は、ウイルス表面の抗原を認識できる抗体があるかないかの勝負になる。ウイルスは自分の情報を書き換え続け、免疫はウイルス情報をアップデートし続ける。 今回の新型インフルエンザはH1N1。これまでH1N1で流行したのはスペインかぜとソ連かぜ。スペインかぜは1918-1919年だが、ウイルス自体は1957年くらいまであった*1。今はもういない。ソ連型ウイルスは1977年に出現して現在まで季節性として流行。今でもいる。 H1N1についてヒト集団の持っている抗原情報は50年前のスペインかぜウイルスのと、30年前から現在まで繰り返しアップデートされているソ連型ウイルスの。ヒトは感染して免疫

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    aont 2010/02/09
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