米疾病管理予防センターによれば、米国では、抗生物質の効かない細菌感染で亡くなる人の数が年間2.3万人にも上り、こうした感染症の治療にかかる費用は年間200億ドルにもなるとのこと。こうした状況のなか、新たな抗生物質の開発が遅れている問題が指摘されている(Slashdot、New York Times)。 FDA(米食品医薬品局)が認可した抗生物質の数は過去20年間で減少し続けているそうだ。その背景に、大手製薬企業が抗生物質の開発を行わなくなっていることがあるという。製薬業界の最大手であるファイザー製薬は2011年に抗生物質研究センターを閉鎖しており、現在、抗生物質開発の80%を中小のバイオテクノロジー企業が担っている。現在開発中の抗生物質は40種ほどあるものの、癌の臨床治験が実施されている新たな治療薬及びワクチンが771種もあることと比べると、非常に少ないことが分かる。 これには、採算性の問