ネットでの誹謗中傷が後を絶たない。いつの間にか拡散し、まるで真実のように流布していたり、本人の生活や心を深く傷つけたりしている。しかし、訴えようにも匿名の投稿の場合だと、早期に個人をの特定するのための手続を始めなければ、損害賠償を求める裁判にこぎつけられないことも少なくない。 従軍慰安婦報道で知られる元朝日新聞記者・植村隆氏の長女に対する誹謗中傷の裁判で、長女側の弁護団に参加した斎藤悠貴弁護士は「特定のために何度も裁判が必要で、時間と費用の勝負になることが多い」と課題を口にする。 この裁判は、ツイッターに当時高校2年生だった長女の名前などを顔写真つきで示し、誹謗中傷したとして、投稿主に損害賠償を求めたものだ。昨年8月に東京地裁で出た判決では、投稿主に原告の請求通り170万円の損害賠償命令が出た。 判決が報じられると、弁護団の執念にも反響があった。弁護団は投稿者を特定するため、事前にツ