図1:人体を介して脈拍計からイスへデータを送る。日経エレクトロニクス2010年11月29日号p.44から転載。 スマートフォンやタブレット端末など,流行の先端をいく電子機器の展示でにぎわった昨秋の「CEATEC JAPAN 2010」。その会場の一角に,こうした最新端末のような派手さはないものの,新しい時代の到来を予感させる電子部品が展示されていました。アルプス電気が出展した電界通信モジュールです(Tech-On!関連記事1)。 電界通信は,データ伝送の媒介に人体を利用する技術で,“人体通信”とも呼ばれます。人体通信は,人体から約3m以内の範囲を対象とする近距離無線通信「WBAN(wireless body area network)」の一種。消費電力の低さやセキュリティの高さに特徴があります。アルプス電気の展示は,この技術を人間の身体データの計測に活用するというもの。会場では二つの利用シ
2010年12月10日に,ソニーとシャープはそれぞれ,国内で電子書籍配信サービスを始め,同サービスに対応する端末を発売します。同じ日のスタートで,まさに真っ向からの対決となります。しかし,両社の事業は似て非なるものといえます。 まず,そもそも事業のコンセプトが異なります。ソニーが発売する端末「Reader」は,「読書好きのユーザーに向けた読書専用機」(同社)と位置付けており,ディスプレイには電子ペーパーを搭載します。一方,シャープが発売する端末「GALAPAGOS」は,液晶パネルを搭載した,いわゆるタブレット端末で,2011年春をメドに映像や音楽などエンタテインメント系コンテンツの配信も始める予定です。 そして,ユーザーの立場からすると,使い勝手の面で大きく異なる点があります。それは,無線通信機能の有無です。今回,国内で発売するReaderは無線通信機能を備えておらず,パソコンを介して書籍
同僚の佐伯記者とともに担当した2010年10月4日号の特集記事「部品不足を乗り切る」(関連ブログ)で,我々が目玉となるコンテンツの一つと考えているのが,部品調達体制の刷新に向けたソニーの取り組みです。当初は,機器メーカーの取り組みの一例として紹介する予定でしたが,同社への取材で興味深い話を予想以上に多く聞くことができたため,一つの部として独立させました。 ソニーは2009年に,全社およびソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)などグループ会社の部品調達を一括で担う「調達本部」を設立し,調達体制の大掛かりな見直しを進めています。その具体的な取り組みについてはぜひ本誌をお読み頂きたいと思いますが,その中核にあるコンセプトは「部品メーカーと戦略的なパートナー関係を築くこと」です。その背景には,ソニーのような大手メーカーにとっても「(部品メーカーに対して)かつてのようなナンバー・ワンの座に
元・日本遠隔医療学会 理事長で,東員病院 院長の村瀬澄夫氏は,10年後には医療/ヘルスケアの姿はガラリと変わっていると指摘します。では,どう変わるのか。村瀬氏は,知人との連絡の取り方の変化になぞらえ,次のように表現しました。「かつては便箋。そして固定電話機。今では携帯電話機を使う。便箋の時代に連絡を取るためには,準備の手間がそれなりに必要だった。今では携帯電話機で気軽に,手軽に連絡を取ることができる。これから10年,医療/ヘルスケアも同じように変化していくだろう」。 つまり村瀬氏が指摘しているのは,医療/ヘルスケアは,我々にとって極めて身近なものになるということです。例えば,今では病院に診察を受けに行くためには,それなりの準備が必要になりますが,それがまるで携帯電話機でメールを送るような手軽な感覚で,医療/ヘルスケアと接することができるようになるというわけです。まさに,医療/ヘルスケアの“
2010年2月に米国で開催された半導体回路技術関連の国際会議「ISSCC 2010」で,非常に斬新なコンセプトの技術が登場し,注目を集めました。ソニーが開発した,機器内のLSI間のデータ転送をミリ波に置き換える「機器内高速ワイヤレス伝送技術」です(Tech-On!関連記事)。ソニーは,送受信回路とアンテナを試作し,14mmの距離を11Gビット/秒の速度で無線通信できることを確認しています。試作チップの消費電力は70mWです。 この技術では,電源は有線で供給するものの,LSI間の信号線すべてを無線化します。これにより,信号用途の配線を省けるようになるため,プリント基板やLSIパッケージの構造を大幅に簡素化できます。結果,部材コストの低減に威力を発揮するわけです。 加えて,この技術は,少量多品種のデジタル民生機器の開発期間を短縮できる可能性も秘めています。パッケージが信号の入出力端子を備える必
先日,クラウド技術の“グル”である早稲田大学客員教授の丸山不二夫氏の講演を聞く機会がありました。この講演内容のトピックの一つに,米Microsoft社の「3 Screens & a Cloud」(三つのスクリーンと一つのクラウド)という戦略が取り上げられていました。この戦略を簡単にいうと,携帯電話機,パソコン,テレビという三つのスクリーンのそれぞれに対して,クラウド上のサービスからそれぞれの特性にあった最適なサービスを提供するというものです。データが中心に集まっており,これを端末を変えながらもシームレスに使えるのがポイントです。ちなみに,テレビはXboxが担うこととなります。 こうした戦略はMicrosoft社だけでなく,米Google社,米Amazon.com社,米Apple社も推進中です。例えば,Appleは,携帯電話機としてiPhone,テレビとしてApple TVまたはiPad,パ
――GUIがカッコいいから買って下さい,というのは,デザインがカッコいいから買って下さい,というのと同じくらいレベルが低いと思うんですよ。そうじゃなくて,その裏に隠れている価値がまずしっかりある。製品に価値があるから良いGUIが生きる。ちゃんとそういう順番になっている―― ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が2010年3月18日に発売した,「プレイステーション 3(PS3)」向け地上デジタル放送視聴キット「torne」(Tech-On!関連記事1,関連記事2)。この製品の謎を解くべく,同僚のN記者とテレビや録画機の開発者,UIのデザイナーやコンサルタントなどに話を聞いて回っています。冒頭の言葉は,その中で飛び出したある家電の開発者の言葉です。 torneはUSB接続の小さなチューナー・ユニットと,PS3で動作するソフトウエアから成り,PS3で地デジを見たり,内蔵や外付けのHD
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