△2八飛と打って先に王手したのは塚田。大野は▲3九玉と逃げ、△2七飛成▲3一角の王手で勝ちと読んでいた。しかし、秒読みに追われて混乱してしまい、玉を逃げずに▲3一角と打ってしまった。塚田は「これ、もらっておくね」と言って、△4八飛成で大野の玉を取り上げたという。もちろん大野の反則負けとなった。 大野は、読み筋の3手目と実際の指し手を混同してしまった。 第2図は、2018年のB級1組順位戦・菅井竜也七段とH八段の対局での中盤の部分局面。菅井は「7九角」を矢印の動きで、相手の「6八と」を飛び越えて▲4六角と進めたのだ。これは、いったいどうしたのか……。 菅井は自信ありげに▲4六角と銀取りに指した。Hはうまく指されたと思って2分ほど考えていると、あぜんとした表情の記録係が指摘して、反則がやっと発覚した。菅井は第2図の前に、▲6八角でと金を取り、△6七歩成▲4六角という読み筋だったが、3手目を先に