2010年01月26日21:44 カテゴリ書評 むさぼるように読める著作権本「著作権の世紀」 Think Cでお世話になっている、福井先生の新刊。タイトルが表わすように、著作権法なるものが台頭してきた背景に始まり、テクノロジーとの関係、創作との関係をわかりやすく紐解いてくれる。 福井先生の書きぶりというのは、非常に図示的だ。本の中に図はほとんどないにも係わらず、さまざまなパワーバランスや効力というのが、絵に描いたようにわかる。さらに卑近な例を数多く取り上げることで、具体的でもある。 ただ著作権法のさまざまなリフォーム論を解説した部分は、他の部分に比べると難しかった印象がある。これはそれぞれが現在議論進行中の話であることから、表現の正確さを重視したせいかもしれない。 他の著作権本にはないユニークな部分として、肖像権やパブリシティ権などを「疑似著作権」と位置づけ、その効力の範囲を明確化したこと