経済成長の加速には、好循環が欠かせない。日本は、いつも巡航速度に乗る前にブレーキをかけ始めるから、デフレにくすぶり続けている。今年も、補正で0.8兆円、本予算で4.4兆円、地方で1.2兆円、年金で約0.5兆円、合計6.9兆円もの収支改善が行われる。今回も、まったく同じバターンが繰り返される。 ただし、今年に限っては、原油安の天恵がある。これが緊縮財政を相殺し、ゆるゆると回復してくれたら、ありがたい。昨年は、一気の消費増税という危険な行為をしたが、すんでのところでデフレスパイラルには陥らず、マイナス成長で済んだのは、強運だった。最善を尽くさなくとも、運で勝ち進んでしまうということは、世の中にないわけではない。 ……… 2015年度の政府予算案では、4.4兆円の公債金減額が行われる。本来なら、GDPの1%近い収支改善を聞いて、デフレ圧力の大きさに脅威を感じなければならない。殊に、日本経済の潜在