映画をはじめ映像化された文庫作品の帯を、出演者の写真を大きく載せ、本のほぼ全面を覆う「全面カバー帯」に掛け替えるPR手法がすっかり定着した。話題作の公開が続く今月以降、書店で見かける機会がさらに増えそうだ。 映像インパクト大きく 上巻には、俳優の渡辺謙さんの顔を大写しした写真。下巻には、広瀬すずさんや宮崎あおいさん、松山ケンイチさん、森山未來さんら7人の出演者……。 東京・八王子で起きた夫婦殺人事件から始まり、千葉の港町、沖縄の離島などへと物語が展開する吉田修一さんの『怒り』(中公文庫)は、9月17日から全国東宝系で映画公開の予定だ。版元では、5月下旬に「全面カバー帯」に掛け替えるための準備を進めている。 吉田さんは映画化決定の際、「(ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットらが出演した)映画『オーシャンズ11』のようなオールキャストを」と望んだという。希望通りに華やかな出演者がそろった映画