地デジ移行/より良質な番組の提供を テレビが地上デジタル放送に完全移行した。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県では来年3月末までアナログ放送が続くが、NHKの放送開始から60年近くを経て、テレビは新しい時代を迎えた。 進む国民のテレビ離れ 地デジは画質の良さ、字幕機能の充実、インターネットを使った番組と視聴者との交流などのメリットが強調されている。機能が多様化し、便利になるのは良いが、テレビの命はあくまで番組コンテンツである。地デジへの完全移行を機に、テレビ局側は文化の担い手としての自覚を高め、より良質な番組提供を心掛けてほしい。 平成12年に、BSでデジタル放送が始まってから10年。テレビ機能は進化したが、逆に国民のテレビ離れが進んでいる。視聴率が20%を超える番組が少なくなったばかりか、今年6月には、視聴率の稼ぎ時であるゴールデンタイム(午後7時から10時)に、2ケタ台に達した