遙から お金の話をしようと思う。 世間ではアベノミクスとやらで給与が上がるとか、景気上昇とか、気配だけで浮き足立つ空気があるが、実質はどうか。 私は経済学者ではないので、自分が肌で感じるあくまで主観に基づく景気を、いや、カネの話をする。 結論からいうと、“卑怯な世の中になったな”が、正直なところだ。 ものごとには適正価格というのがある。ところがここに「お世話になった方だから」とか、「社会のためだから」とかいうフィルターが1枚からむだけで、価格引き下げが正当化される。 ある“お世話になった方”が逝かれた。出版社からその方にまつわるコラムの依頼が来た。ここに勇気をもってその時の依頼価格を書く。 1000円だ。 原稿と一緒にお金も渡すくらいのつもりでないと… なんともいえない心のざらつきがあった。 確かに世話になった。その世話になったご遺族からの依頼ではない。ご遺族からならギャラは辞退する。 逝
シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。 ビジネスモデルの破壊者たち シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。 バックナンバー一覧 インターネットのせいで新聞社や雑誌出版社は存続の危機にあっても、いわゆる情報サイトは、決してなくなることはない。人々はいつも何かを読みたがり、何かの情報を探し、何かおもしろいことに行き当たることを期待しているからだ。 だが、情報サイトにも、時代の流れがある。 数年前まで新興企業が競争していたのは、新聞や雑誌に匹敵するような多くの情報をまとめたコンテンツサイトだ。この分
トップ Policy(提言・報告書) 科学技術、情報通信、知財政策 電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める Policy(提言・報告書) 科学技術、情報通信、知財政策 電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める 1.基本認識 デジタル化・ネットワーク化の流れのなか、従来、紙媒体であった書籍や雑誌が電子媒体として配信される時代が本格的に到来しつつある。米国においてはこうした電子書籍市場が急成長を遂げており、わが国においてもタブレットPCやスマートフォンの販売台数が急増するほか、電子書籍購入のためのストア開設の動きも進んでいる等、電子書籍普及の素地ができつつある。 他方、現時点において、わが国の電子書籍ビジネスは本格的な飛躍の段階にない。電子書籍ビジネスの興隆に向けては、端末やストアの充実のみならず、魅力あるコンテンツが多数電子化されていることが不可
1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。 シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史 「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し
日本でもようやくキンドルが出回り始めて、実際の使い心地も、サービスの内容も一通りわかるようになったから、次はこの先のことをアマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスはどう考えているのかが知りたい……というのがせっかちな日本のマスコミの心情のようだ。 とはいえ、アマゾンは具体的な数字を一切出さないニュースリリースやプレゼンに長けているので、アメリカの業界事情を詳しく知るレポーターでさえも、正確な売上げの数字や今後の動きについては慎重にguess work(当て推量)するしかないのが実情だ。 アマゾンに関する断片的なニュースから察するに、来年はヨーロッパ市場でキンドルに力を入れていくと思う。日本はぶっちゃけ、後回し。良くて、しばらく様子見といったところだろう。だって、自費出版プログラムも、アンドロイドのアプリマーケットも、クラウドDB事業も、ストリーミングのインフラも、やることはすべて日本でもやったんだ
Gumroadというサービスがすごい熱い! Gumroadは誰でも簡単にデータを販売できるようにするサービス。 FacebookやTwitterのタイムラインに、GumroadにアップしたデータのURLを貼るだけで、世界中にコンテンツを販売できるみたい。(2/14日現在、日本からの過剰すぎるアクセスでGumroadが不安定です) 何ができるの? Gumroadを使えば、たとえばイラストレーターやミュージシャンが、そのまま作品をダイレクトにタイムラインで発表して販売できます。手数料はたったの5%(正確には5%+30セント)。Appleの30%や出版社の90%に比べると驚異的なお値段です。個人のクリエイターがクレジットカード決済でデータを販売できる…というのは、なにやら仕事のスタイルそのものが変わりそうです。 さっそく実験で、写真を1枚アップロードして$2で売ってみたら10$32ほど枚売れまし
2012年01月06日 代官山蔦屋で雑誌黄金時代にタイムスリップ!〜雑誌の本質とは・・ 新年あけましておめでとうございます。噂の代官山T-SITEのツタヤに行って参りましたので、そのことを新年最初のブログに書きたいと思います。 まず、一人の書物・音楽・メディア好きとして、この余り儲かりそうには思えない施設を、ここまでの意気込みでOPENさせた蔦屋さんに素直に喝采を送りたいと思います。商業施設にこんなに興奮させられたのは本当に久々でした。大まかなコンセプト・意図は、私がブログに以前書いた「台北・Eslite 誠品書店に「書店」が進むべき未来を見た。」に近いと思いますが、単にその焼き直しに留まらない独自性も兼ね備えています。久々に、こういうオサレな雰囲気かつ骨太な思想をもったハコがある「TOKYO」住民であることを誇りに思える気持ちで嬉しくなりました。 「未来の書店」を体感したくて、台北まで行
「レズビアンを『百合』と表現したのは僕」。日本初の同性愛専門誌『薔薇族』の初代編集長・伊藤文学氏は東京・自宅で取材に応じ、そう語った。伊藤氏は現在79歳。自身はいわゆる"ノンケ"でありながら1971年に『薔薇族』を創刊。休刊・復刊をくり返しながらも30年以上、編集長を務めた。「ギリシャ神話か何かで『薔薇の下で男同士が契りを結ぶ』という話がある」とゲイを「薔薇族」と呼び、のちに「百合はナルシシズムの象徴だから」とレズビアンを「百合族」と名付けた。 2011年10月28日、一周年を迎えたニコニコニュースは「号外! ニコニコニュース10月号」を生放送。伊藤氏の現在を追ったドキュメントが放送された。ここでは、映像収録時に行った伊藤氏へのインタビューをより詳しくお伝えする。伊藤氏は、昔ほど同性愛者に対する偏見がなくなってきたと語る一方で、「いま一番気にかかっているのは少年愛の人たちのこと」と、少年を
皆さんの現場では、変更管理にどのようなツールを使っているだろうか。SubversionやMicrosoft Visual SourceSafe(VSS)といったツール名をすぐに思い浮かべるかもしれない。しかしそれらは構成管理ツールであって、変更管理のためのものではない。「変更構成管理ツール」と称される製品も多く、混同しがちなので簡単に整理してみよう。 変更管理ツールは、ユーザーなどから変更依頼を受け付け、影響度や優先度を評価し、実施するかどうかを判断するためのもの。実施が決まった変更依頼には、作業指示の情報を加え、作業のステータスを管理することも含まれる。 一方の構成管理ツールは、成果物(ドキュメントやプログラムソースなど)の変更に応じてバージョン管理したり、複数のITエンジニアが同時にアクセスしてもデグレードしないように排他制御を行ったりする。つまり変更管理では変更依頼を管理するのに対し
きし・ひろゆき/1962年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。経済財政政策担当大臣、総務大臣などの政務秘書官を務めた。現在、エイベックス顧問のほか、総合格闘技団体RIZINの運営などにも携わる。 岸博幸のクリエイティブ国富論 メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。 バックナンバー一覧 9月23日に、米国でかつて最大手DVDレンタル・チェーンだったブロックバスターが経営破綻しました。そこに至るまでのレンタル市場の変容やライバル企業の躍進を学べば、メディア・コンテンツ産業にとって重要な教訓を得ることができるのではないでしょうか。 経営破綻に至る経緯 1990年代から2000年代の前半にかけて、米国のDVDレンタル市場はブロックバスターの独壇場でした。そのブロックバスター
以前ノウハウとして、倉庫を活用して1トン(1冊1キロを1,000冊)の同人誌を刷った話を書きました。印刷所の倉庫を活用し、大量の在庫を抱えても日常生活に影響を及ぼさない方法でした。 しかし、そもそもサービスがあったとしても、1,000部を頒布できる確信が無ければ、印刷は行えません。部数決定は勘のようなものがありますし、当時友人や話を聞いた人のほとんどは、1,000部は現実的ではないといった反応を見せました。少なくとも表立って1,000部ぐらいいけるのではといってくれたのは、2人だけです。(どちらも同人経験は久我より長いです) この部数は、希望的観測を交えたものもありますが、直感に頼らず、これまでの活動実績と同人イベントで接した方たちの動きから積み上げて推測した結果です。 3年で頒布する計画が3ヶ月で完売したのはひとえにアキバBlog様に取り上げられた幸運によりますが、少なくとも1,000部
ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版社はたくさんありますが、ここでは数社に限定しています。 (more…) ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版
印税ゼロで出版されたことでも話題となっている、岡田斗司夫氏の新刊『評価経済社会』(ダイヤモンド社)。ツイッターをはじめソーシャルメディアとも相性がいいという「評価経済社会」とは、いったいどんな社会なのか。そして、そんな世界の変わり目に生きる私たちは、どうふるまっていけばいいのか。また、未曽有の大震災をへて、日本はどこへ向かうのか。ゲストに堀江貴文氏、ファシリテーターに慶應義塾大学の中村伊知哉教授を迎えて、徹底的に語ってもらった。 食べログ、Amazonのユーズド… 貨幣の代わりに評価が流通する社会 ――「評価経済社会」って、一言でいうと何なんですか? 岡田 貨幣の代わりに評価が流通する社会、これまで優先順位の一番が貨幣だったのが、その一番が評価になってきているという考え方なんです。よく食べログとか、Amazonのユーズドなんかを例に出すんですが、昔だったらできるだけ安いものを買いたいと値段
1月27日、「サルまん」などで知られる編集家で京都精華大学教授の竹熊健太郎氏と、Jコミ代表取締役社長で漫画家の赤松健氏の対談が都内で行われた。 この対談は、電子出版の時代における漫画編集者のあり方について、Twitterを通じて両氏の間でやりとりが行われたことに端を発している(対談までのいきさつはTogetterでのまとめ、および本対談に同席したコミックナタリー唐木氏によるニュース記事も参照いただきたい)。 両氏はこの日が初対面。日付をまたいで実に7時間にも及んだ対談では、電子書籍時代の漫画編集者像についての意見交換をはじめ、Jコミの現在と未来、さらに大学教授として漫画家志望の学生に指導を行う竹熊氏による業界評、果てには未完に終わった竹熊氏の「サルまん2.0」の裏話にも及ぶ、幅広いものになった。 ITmedia eBook USERでは、両氏の思いが詰まったこの対談内容を本日から5日間連続
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