■出版社はもはや自前で新しい書き手を発掘し、育て、売り出すことが難しくなっている R&Dとプロモーションがネットとテレビ頼みになっていることのひとつの象徴が、今回の芥川賞の結果でした。 どういうことでしょうか? 又吉さんのように芸能人としてのネームバリューを活かして単行本が出版される作家がいる一方で、いくつもの小説誌(とくに純文学を掲載する文芸誌)では、 「え? 御社の新人賞を受賞した書き手なのに、雑誌に載せるだけで、御社から単行本化できないんですか?」 「え? 御社から依頼を受けて雑誌に連載した企画なのに以下略」 「え? そもそも雑誌にも載せてもらえないんですか?」 といったことが、少なからず起こっています。 (もちろん、すべての出版社がそうなっているわけではありませんが) マンガ雑誌は単行本になる原稿を取る媒体であって、雑誌が売れなくてももはやしょうがない、という状態になっていることは