わが国にアロマテラピーが紹介されておよそ25年が過ぎようとしている。統合医療への関心が高まる中で、数あるCAM(相補代替医療)の中でも人気のあるアロマテラピーは欧米で着実に広がりをみせており、科学的な研究報告も増加している。一方、わが国のアロマ研究も活発化しており、初期の鳥居鎮夫(東邦大学医学部名誉教授)のCNV(随伴性陰性変動)を利用した香りの心理作用の実証に続いて、ユニークかつアロマテラピーの普及に貢献する研究が行われている。そこで今回は、2009年に大きな注目を集めるであろう研究者と研究テーマを大胆に予想してみることにしよう。 1) 梅津豊司(独立行政法人国立環境研究所) --- 精油の中枢薬理作用の研究 精油のこころへの作用は香りの嗅覚刺激によるものと考えられていたが、最近の研究によると、精油の分子がもたらす薬理作用によることが明らかになりつつある。つまり、鎮静剤などの医薬品のメカ