不慮の事故について、小児科医で緑園こどもクリニック(横浜市)院長の山中龍宏さんに聞きます。(聞き手・萩原隆史) 子どもの様々な事故の中でも、極めて危険性が高いのが、喉に異物を詰まらせてしまう窒息事故です。窒息状態が5分続くだけで半数が亡くなり、10分たつとほぼ全員が死に至るほど時間が限られているためです。 逆さまにして背中をたたいたり、後ろから抱えるようにおなかを圧迫したりする方法ですぐに異物が出てくればいいのですが、なかなか取り除けないケースも少なくありません。代表的なものがスーパーボールです。 ある日の夕方のことでした。3歳の男児がスーパーボール(直径3・5センチ)を口に入れて遊んでいるのに気づいた母親が、「危ないので口から出して」と叱ったところ、驚いて吸い込んでしまいました。 指では取り出せず、救急搬送先の病院で特殊な医療器具を使って摘出されましたが、病院到着までに40分近くたってお