歯医者で、5年前に根管治療をしたところを、再び掘り返して再治療している。ひどく痛む。出された痛み止めを飲んだが、なかなか効かない。痛みを紛らわすために、駄文を書くことにする。 人間と非人間の境目について考えている。 人間はすでに、様々な方法で肉体に非人間的な拡張を施している。たとえば、メガネは視力を補強し、義歯は失われた歯を補強する。また、腕時計は人間に正確な時間感覚を与えてくれる。 このような拡張を施すと、もはや人間ではなくなるのだろうか。また、たとえ人間であるとしても、以前の人格とは異なる知的存在になるのだろうか。ここまでの拡張で、人間が人間ではなくなると主張する者はいない。 では、失われた手足のかわりに義肢を装着したら、人間ではなくなるのだろうか。その義肢が生身の人間以上の性能を持ち、素手でコンクリートを粉砕し、時速40kmで走れるようになったとしても、やはりまだ人間で、もとの人間と