日銀は1月28、29日に開催した金融政策決定会合で、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。常に市場にサプライズを与え続けてきた「黒田日銀」。今回の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入もまた、意表をつくタイミングと内容の政策決定になった。 また日銀は金融政策決定会合の終了後に、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を公表している。消費者物価の見通しは、2016年度については下方修正された。物価が日銀の目標である2%程度に達する時期は、これまでの「2016年度後半ごろ」から「2017年度前半ごろ」に先送りされた。 こうした動きについて日銀は展望レポートの概要の中で「物価見通しの下振れおよび2%程度に達する時期の後ずれは、原油価格の想定を下振れさせたことによるものである」と説明しており、原油価格さえ上昇していれば物価目標はもっと早いタイミングで達成されていたはずだという
YKKAP(東京都千代田区)と提携する建材流津店によるリフォーム店ネットワーク「MADOショップ」の成功事例の発表会が1月28日、千葉・浦安市内の会場で行われた。全国10エリアの代表者が発表を行い、東京エリアの横浜舞岡店(ワイドアルミ、横浜市)がグランプリに選ばれた。 同コンテストは全国のMADOショップの成功事例を共有することを目的に実施されているもので、今回で3回目。全国10エリアの代表が発表し、会場来場者の投票によってグランプリが決められる。集客方法や運営コストの削減手法、イベントのアイデアなど各ショップの取り組みが具体的に紹介された。 準グランプリは、中部エリアの郡上八幡店(小酒井商事 八幡ガラス)が受賞。実行委員会特別賞には九州エリアの岡山建築資材店が運営する菊地中央店が選ばれた。
日銀は29日、金融政策決定会合を開き、追加緩和策として、民間銀行が日銀に預けている一部の資金に0・1%の手数料を課す「マイナス金利」を導入することを決めた。追加緩和策の導入で、原油安や新興国経済の失速を受けて企業が投資に慎重になるのを防ぐ。米国の利上げで新興国からの資金流出が懸念される中、日銀は投資家の不安解消も狙う。 日銀のマイナス金利決定は、9人の政策委員のうち5人が賛成し、4人が反対した。 日銀は追加緩和で、長期国債の買い入れ枠80兆円は維持する。また、日銀は2%の物価上昇目標の達成時期を「平成29年度前半ごろ」に先送りした。これまでは「28年度後半ごろ」としていた。達成時期の先送りは3回目。28年度の物価見通しについては、1・4%上昇から0・8%上昇に引き下げた。 日銀の追加緩和策を受け、東京金融市場も大きく反応した。29日の東京株式市場の日経平均株価の上げ幅は一時、500円
野村不動産アーバンネット(株)(東京都新宿区)は、このたび、「住宅購入に関する意識調査(第10回)」を実施した。 調査対象は、不動産情報サイト「ノムコム」会員約21万人。調査期間は2016年1月7日(木)~1月14日(木)。有効回答数は1,421人。 今、不動産は買い時だと思いますか?では、「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」を合わせた41.3%が「買い時」と回答し、前回調査(2015年7月)と比べると4.9ポイント減少した。一方、「買い時だと思わない」の回答は35.9%で、前回調査から6.2ポイント増加した。 買い時だと思う理由については、「住宅ローンの金利が低水準」69.1%(前回比4.7ポイント増)、「今後、10%への消費税引き上げが予定されている」51.5%(同11.3ポイント増)に続き、「不動産価格が落ち着いている(割安感がある)」が33.1%(同17.2ポイント
(株)東京カンテイは、このほど、「マンション・一戸建て住宅データ白書2015」を発表した。これは、2015年のマンションおよび一戸建て住宅の新築・中古市場動向を総括したもの。 それによると、2015年の首都圏全体の新規分譲マンション供給戸数は48,610戸と、2014年の52,455戸と比べて-7.3%と減少。2009年の47,359戸は辛うじて上回ったものの、過去10年で2番目に少ない分譲戸数に留まった。 都県別に見ると東京都は32,466戸で前年比-0.6%、神奈川県は8,373戸で-18.8%、埼玉県は3,892戸で-12.5%、千葉県は3,879戸で-23.1%。概ね横ばいに留まった東京都以外の3県では大幅に供給戸数を落としており、建築コストの高止まり、地価の上昇によるマンション用地の高騰などの影響で分譲価格が急上昇し、高額所得者や資産家の購入意欲は旺盛であったものの一般消費者の購
(株)東京カンテイは、このほど、「都道府県・主要都市の“マンション化率”2015」(全国版)を公表した。 それによると、全国の世帯数に占める分譲マンション戸数の割合を示す「マンション化率」は、2014年から0.13ポイント拡大して12.21%となった。首都圏21.56%(+0.20ポイント)、近畿圏15.76%(+0.17ポイント)、中部圏7.83%(+0.06ポイント)と、いずれもマンション化率を伸ばしている。 最もマンション化率が高いのは東京都(26.76%)で、第2位に神奈川県(22.49%)がランクイン。第3位の大阪府(18.71%)と第4位の兵庫県(18.34%)は年々差が拡大している。富裕層向け高額マンションの売れ行きが好調で供給戸数も増加傾向にある京都府(11.54%)は、愛知県(11.50%)を上回って第8位に順位を上げた。 また、2015年に最も伸び率が大きかったのは東京
DIYをサポートする、じゅうたす(株)(兵庫県姫路市)は、ハンモック専門業者のキュリアストレーディング(京都府京都市)とコラボレーションし、「住+(じゅうたす)DIYフレーム・チェアハンモック01」を、2016年2月3日(水)より楽天市場店で販売開始する。 DIY、セルフリフォームが人気の昨今、部屋でハンモックやチェアハンモックを楽しむ方も増えている。しかし、設置するためには、柱や梁など躯体に直接金具を取り付けなければならないため、賃貸住宅やRC造住宅に住む方は設置を諦めなければならないケースがある。 そこで、賃貸でも建物の躯体を傷つけることなくDIYカスタマイズが楽しめる「住+DIYフレーム」にハンモックをセットで付けたモデル「住+DIYフレーム・チェアハンモック01」の販売を決定したという。 同商品には、屋外での使用も想定して天然木無垢杉乾燥材を採用。また、チェアハンモックと取り付け金
(一社)遺品整理士認定協会の理事長・木村榮治著『遺品整理士が教える「遺す技術」』が、1月28日(木)、メイツ出版より刊行された。 同書は、「親家や空き家の片づけ」に関連し、遺品の片付けに携わる遺品整理士が、「上手に遺す」をテーマに多くの事例や具体的なノウハウをまとめた書籍。備えとして知っておきたい情報から片付けの具体的な段取りまで、図解を交えてわかりやすくまとめている。 また、いざという時に役立つ、遺品整理の豊富な知識も余すところなく紹介している。価格は1,500円(税別)。 ニュース情報元: (一社)遺品整理士認定協会
スターツコーポレーション(株)(東京都中央区)、スターツデベロップメント(株)(東京都江戸川区)、および安田不動産(株)(東京都千代田区)は、このほど、東京・千代田区で開発する免震タワーレジデンス「アルファグランデ千桜タワー」を発表した。販売開始は2016年4月下旬の予定。 同物件は、日本の中枢として行政・立法・司法が集積する千代田区アドレスにあり、かつて、桜の景勝地として愛された区立千桜小学校跡地、およびその隣接地に誕生する。 都営新宿線「岩本町」駅からは徒歩1分、東京メトロ日比谷線「秋葉原」駅徒歩4分ほか、JR京浜東北線・山手線・中央線「神田」駅徒歩5分など、13駅・13路線が利用可能。また、住居だけでなく、店舗、事務所、生活支援施設を擁するタワーマンションとなる。間取りは2LDK~3LDKの56.14平米~110.51平米の予定。 【物件概要】 ●所在地:東京都千代田区神田東松下町
大東建託(株)(東京都港区)は、新ブランド「DK SELECT」の立ち上げに伴い、2016年2月より同社では初となる土地活用相談窓口の実店舗『DK SELECT LOUNGE』を、東京・三軒茶屋に本格オープンする。 同店舗では、土地活用や建て替えについて、何から始めればよいのかわからないという方や、相続税対策、リフォームなど、暮らしや住まいに関する悩みや疑問を相談することができる。 また、個別の無料相談会(事前予約制)や土地診断・市場レポートサービスの提供、専門家を講師に迎えイベントを毎月企画するなど、土地活用や住まいに関する様々な情報を発信していく。 【『DK SELECT LOUNGE』】 ●所在地:東京都世田谷区太子堂2-14-3 シャルムイシクラ 1F ●交通:東急田園都市線「三軒茶屋」駅 北口B出口から徒歩1分 ●電話:03-3418-5561 ●営業時間:10:30~1
一流ビジネスパーソンや企業のトップが研修に通うほど、リーダーシップや説得力をもたらすのに「声」は重要視されています。性格や習慣をすぐに変えることはできませんが、声はすぐに変えられます。そして、声の改善で仕事の成果が上がることが科学的に実証されているのです! 今回、250社超の研修実績、3万人が受けた声のビジネス研修を読んで学べるボイスレッスンとして1冊にまとめました。新刊『話し方に自信がもてる 1分間声トレ』より、「1分間声トレ」を動画付きで紹介します。 【詳細画像または表】 2月10日(水)、出版記念セミナー開催決定! 詳細はこちらへ!! ● 人の耳に聞き取りやすい声は腹式呼吸で叶う まずは、いい声を出すためには欠かせない、基本中の基本である「腹式呼吸」からマスターしましょう。 呼吸には、主に胸の周りの筋肉を使う「胸式呼吸」と、主にお腹の周りの筋肉を使う「腹式呼吸」があ
いまやツイッターのフォロワー数33万人。世界陸上のメダリストで、ベストセラー『諦める力』の著者、為末大さんが、世界の問題から身近な問題まで、「納得できない! 」「許せない! 」「諦められない! 」問題に答えます。(お悩みの募集は締め切りました)。 ---------- お悩みファイル20■昔の友人に失望。そんな自分にも失望 先日、高校時代のクラスメイトに声をかけ、10人弱で飲み会をしました。20年以上ぶりに会う人もいたので、静かに和やかに旧交を温めたいと思っていたのです。しかし、著名人の知り合いがいるという自慢話を大声で語り続ける者、その場にいる人を無視してスマホをいじり続ける者、飲み会に出席していないクラスメイトと電話で長話をする者が数人いて、正直言って不愉快でした。幹事の私は途中退席をするわけにもいかず、かといって求めていたような雰囲気に変えることもできず……。配慮の足りない参加
リフォームを成功させたいなら、依頼先選びをおざなりにしてはいけない。「近所だから」「紹介だから」ただそれだけで契約すると、仕上がりに納得がいかないことも。会社選びがどうして大事か、どうしたら自分にぴったりの会社が見つけられるのか、消費者からの相談事例をよく知るプロに教えてもらおう。 青木 稔氏(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター) 公益法人として住宅の取得やリフォームに関する情報提供とトラブル解決の支援を行う。電話相談は住まいるダイヤルにて受付。リフォームの見積もりの内容チェック及び助言を行うサービスも提供している トラブルを避けたいなら会社選びを慎重に リフォームに関する情報提供や相談に応じる住宅リフォーム・紛争処理支援センター。住宅相談消費者支援本部の青木稔さんによれば、リフォームのトラブル相談は、新築と比べても決して少なくないのだとか。 「新築は計画的で依頼先選びも慎
1月になり本格的な真冬の寒さがやってきた。東京の街中を見ても厚手のアウターでがっちり防寒をする人たちばかりだが、雪国・北海道の人はどうやって真冬を過ごしているのだろうか? 市町村によっては暖房費補助が出ることがある 北海道には住宅や暮らしに関するさまざまなうわさがあるのだが、それらが事実なのかを調べるため、ウェブサイト『北海道で暮らそう!』を運営するNPO法人住んでみたい北海道推進会議の熊谷さんに詳しい話を伺った。 まずは住宅に関するうわさ。水道管を凍結させないために「水抜き」するというのは本当なのだろうか? 「エリアや住宅によっては本当です。昔は毎日寝る前に水抜きをしていたようですが、最近は設備の性能がよくなっているので、水抜きが必要ない住宅も増えています」(熊谷さん、以下同) また、北海道は行政から灯油代などの暖房費補助が出るというのは本当なの? 「所得の低い世帯などに補助が出ることも
家族や隣近所を気にせず、自宅で思いっきり演奏したい。心ゆくまで音楽に没頭したい。そんな願望をかなえてくれるのが、そう「防音室」だ。だが、実際に設置するとなると費用面はもちろん、スペースの問題もあってなかなか難しい……。 と、思いきや月1万円台からレンタルできて、ワンルームでも設置できる防音室があるらしい。 ワンルームでも設置できるコンパクトサイズ 「防音室設置なんてお金持ちの道楽」かと思っていたが、月1.3万円からレンタルできるなら十分検討の余地はある。果たしてどんな人が利用しているのか? 防音室『セフィーネNS』のレンタルサービスを展開するヤマハに聞いてみた。 「利用される方の多くは楽器の演奏が目的です。レンタルできるのは小型タイプの防音室になりますので、管楽器や弦楽器、ギター、ボーカルなどが中心ですね。ほかにはオーディオルームや、机とパソコンを置いて書斎にされるケースなどもあり、これま
2014年と2015年、大分県別府市で、パチンコ店・競輪場を訪れていた生活保護利用者に対して、生活保護の停止(中断)という処分が行われた。 【詳細画像または表】 「よくやってくれた! 」という賛辞も多数集まっている別府市の対応を、どう考えればよいのだろうか? ● 「ギャンブルの罰として生活保護停止」 大分県別府市で起こった出来事 2015年12月15日、大分県別府市の市議会での一般質問において、驚くべき事実が明らかになった。 別府市福祉事務所は、2015年10月5日~30日の25日間、35名のケースワーカー(うち10人は非常勤)全員をそれぞれ延べ5日間動員し、市内の遊技場(パチンコ店13軒と市営競輪場)の巡回調査を行った。福祉事務所は、遊技場を訪れていた生活保護利用者25名に対して指導を行い、この期間に2回以上にわたって遊技場を訪れていた9人に対しては、生活保護を1~2ヵ月停止(
昨年末に発表された「国民健康・栄養調査(2014年)」によると、世帯所得で生活習慣や歯の本数に違いがあるという。 本調査は厚生労働省が毎年実施しているもの。今回は、重点調査として世帯の所得を200万円未満、200万~600万円未満、600万円以上に分け、所得と生活習慣との関連を調べている。 その結果、世帯所得が600万円以上の男女に比べ、同200万円未満の男女は穀物摂取量(ご飯やパンなど)が多く、野菜や肉類の摂取量が有意に少ないことが判明した。 さらに食品を選択する際に重視するポイントを質問したところ、600万円未満の世帯は「おいしさ」「好み」「季節感」「栄養価」への関心が低く、全体に食に無頓着な傾向があった。手っ取り早く「量」で満腹感を得るため、主食やファストフードのみで食事を済ませていると推測される。 このほか、世帯所得が200万円未満の世帯の男女は、習慣的に喫煙している割合が
ツイッターで、大掛かりな再編成が起こっている。 ツイッターは最近ユーザーの伸びが鈍化して勢いがなくなり、その先行きが危ぶまれてきた。今でも毎月のユーザーが3億人おり、まだ人気のSNSであり続けてはいるが、急成長するスナップチャットなどの新手のサービスの影でかつての存在感が薄くなってきたことは確かだ。 【詳細画像または表】 昨秋には、共同創業者のひとりで、シリコンバレーではカリスマ的人物として知られるジャック・ドーシーが正式にCEOとして舞い戻り、ユーザーにも社員にも彼の存在とブランドが確実に安心感をもたらすはずとされていたのだ。 ところが、同社の株価はどんどん下がり、そのうちどこかに買収されるのではないかといううわさも飛び交うようになった。買収するのは、グーグルかヤフーか、はたまたニュース・コープかなど、いろいろな名前が出ていた。皮肉なことに、買収の噂が出ると株価がちょっと上がったり
乗員乗客合わせて15人が死亡した軽井沢スキーバス事故。1985年に同じ長野県で発生した事故以来の大参事となってしまった。大型バス事故の背景には人員不足や価格競争があると以前から指摘されてきた。それでも今回の事故が起こってしまったのはなぜか。外国人観光客が増え、東京五輪に向けて国内観光がより活性化すると思われる中で、業界は厳しい課題を突き付けられた。旅行会社の関係者に聞くと、想像以上に危険なバス業者の現状が見えてきた。(取材・文/蒲田和歌 取材協力/プレスラボ) 【詳細画像または表】 ● なぜ悲劇は繰り返されるのか? スキーバス事故の背景に見える病み 悲惨な事故がまた起こってしまった。 1月15日深夜に発生した、軽井沢スキーバス転落事故。スキー客を乗せた大型バスが道路脇に転落し、乗員2人、乗客31人中、乗員2人と乗客13人が死亡した。多くが即死だと見られることが、事故の激しさを物語って
既出でしたらごめんなさい。 質問内容「建築確認未済 、 表題登記・所有権保存登記未済 、 H4年新築のログハウス 面積173㎡ 、木造2F建て 、現状図面などの物件関係書類は特にない状況」の物件での旅館業法および消防法適合通知書の取得の可否について お聞きしたいと思います。 私の叔父が昔に住んでいたログハウスがあるのですが、叔父というのは私の父の兄だったのですが、兄弟の思い出として残している物件ですが、今はだれも住んでおらず空き家物件となっております。維持を続けるには何かと費用がかかるということで、少しでも維持費の足しにしたいと、旅行者に短期で宿泊してもらえないかと旅館業法の取得を考えており、いろいろと調べているところです。ただいろいろな記事の掲載があり、いろいろ費用をかけた挙句とれなかったらどうしよう等と不安になっています。 物件の条件として ①建築場所の底地は登記簿上「山林」約10千㎡
平松洋子(ひらまつ・ようこ) エッセイスト 1958年岡山県生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞受賞。ほかに『味なメニュー』『ステーキを下町で』『夜中にジャムを煮る』『サンドウィッチは銀座で』、『ひさしぶりの海苔弁』など。 (写真:鈴木愛子、以下同) 川島:今回は最終回ということで、働き方について、もう少しお話をうかがいたいと思います。平松さんは文筆家として、一人で仕事してこられたわけですよね。 平松:組織に所属してはきませんでした。だからと言って、一人で仕事してきたとは、全く思っていないのです。自分の力なんか大したことではなくて、編集者の人に力を出させてもらったり、チームで仕事することで広がりのある展開になったり、自分が思いもかけないところに踏み出せたというのが正直なところです。
待ち受けたのは、連邦準備理事会(FRB)議長のポール・ボルカー。ハワイで開かれた全米銀行大会に出席するという名目のボルカーは、大場の顔を見据えると切り出した。「近く、ロナルド・レーガン大統領が訪日する際に日本の金融市場の自由化を提案する。下準備をしてくれ」。 金融市場の自由化とは、円の国際化のこと。円を世界で使える通貨にしてくれというわけだが、そこに隠された意図に大場はすぐ気付いた。「円高にしたいということか」。円が決済通貨としてより多く使われるようになれば、円買い需要で円高になる。それが狙いというわけだ。このひそかな会合が、2年後の85年9月、世界を驚かせたプラザ合意につながる第一歩だった。 この時、大場はボルカーらとのやりとりの中でもう一つ、聞き逃せない言葉が漏れ出たのに気付いた。「これまで米国は、繊維や自動車など(の貿易摩擦問題)で、日本と2国間交渉をしてきたが、どうやら間違ったドア
ここはホテルでもペンションでもない。自宅や別荘を貸したい個人と借りたい個人をつなぐ新手のプラットフォーム、「Airbnb(エアビーアンドビー)」というサービスを利用し、保有するオーナーが一般向けに貸し出していたものだ。普段はオーナーが別荘として住んだり、テレビCMなどの撮影目的などに貸したりもしているという。 思い立って予約したのが前日にもかかわらず、オーナーは快くスマートフォンのアプリ上で応対してくれ、鍵の受け渡しも現地で難なく済んだ。キッチンや食器、ソファーにテレビ、寝具、暖房機器など設備は充実しており、清掃も行き届いている。チェックアウトまで気ままに自分たちの別荘のように楽しんだ。 「得難い経験」と老齢の両親も喜んでくれた。友人に写真を見せると「え、いくらするの? 15万円はするんじゃない?」。実際は大人5人で泊まり、1人1万円強。ホテル検索サイトでは絶対に体験することができないエア
ご相談 NHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さんが降板されると聞きました。凛とした姿勢が好きでよく番組を拝見していましたので残念です。理由がいろいろ取り沙汰されていて、もやもやした気持ちが消えません。(40代、女性) 遙から 「女性を応援する」「女性が活躍する社会」――そうしたスローガンを沈鬱な面持ちで聞き流している女は私だけだろうか。そう思わずにはいられないNHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子氏の降板確定だった。彼女が番組を通じて発信する情報は、彼女自身のパーソナリティ、理念なしには成立しないと視聴者ならお気づきだろう。構成台本であらかじめ書けることには限界がある。台本を超えて、突っこんで聞きたいことが彼女にはあった。そして、そこがこの番組の見どころだった。 闇の中で考える 忘れられないのは2008年、新銀行東京の経営危機をめぐる問題で石原慎太郎都知事(当時)に迫
中国共産党の第1世代の指導者たち、つまり「長征」を経験した世代は台湾を「再統一」する日を今か今かと待っていた。中国の内戦は1949年、敗れた国民党が「最後の砦」である台湾に落ち延びることで終結した。このとき中国政府がなし得なかった台湾併合という仕事は、未熟な後継者に任せるのが難しい「聖域」となった。 長征経験者たちが全てこの世を去った後も、台湾はその名称を除いて実質上の独立国である。再統合する期限も定められていない。2013年、中国共産党の第5世代指導者にあたる習近平・国家主席は、この件について中国が痺れを切らしており、次の世代まで先送りすることはできないという姿勢を示した。習国家主席は台湾に対して政治対話を求めた。 だが今年1月16日に台湾で行われた総統選の結果は、こうした会談――ひいては両者の統一そのもの――の実現がこれまで以上に遠のいたことを示唆するものとなった。現在、中国は過去数百
サンフランシスコで2016年1月20~22 日に開催された、米O’Reilly Mediaによる「O'Reilly Design Conference」に参加した。O’Reillyといえばビッグデータやオープンソース・ソフトウエアなど、テクノロジー業界の新しい動向を捉えた会議を開催してきたことで知られるが、デザインをテーマにした会議は今回が初めて。シリコンバレーにおけるデザインへの関心の高まりに合わせたものと言える。 シリコンバレーで他社に先駆けてデザインに力を入れてきたのは、何と言っても米Appleだが、デザインへの関心はアプリケーションやインターネットサービスを開発するあらゆるテクノロジー企業へと広がっている。 かつてはデザイナーがテクノロジー企業に在籍していることすら珍しかったほど。しかし、現在ではデザイナーはひっぱりだこ。米Googleもデザイン会社を数社買収しているし、米Airb
以前にも書いたことがあると思うのだが、私は、「政治とカネ」というこの決まり文句を耳にする度に、微妙にイライラした気持ちになる。理由は、「政治とカネ」が、具体的に何を指し示しているのかについて、この見出しは、結局のところ、何も説明していないからだ。 そもそも、「政治とカネ」というこのフレーズは、抽象名詞を二つ並列させただけのもので、ひとつの文として完結していない。 「花と蝶」 「酒と涙と男と女」 「部屋とワイシャツと私」 「オレとお前と大五郎」 「ネギとイモ」 「木村と中居」 これらは、実のところ何も語っていない。 それぞれの単語がもたらすそれぞれの映像と、関係を匂わせる物語の予感と、余情と余韻と余白以外には、何も伝えていない。 主語も述語も無い。 言わばポエムの断片に過ぎない。 にもかかわらず、二つの名詞を一音節の接続詞でつなげただけの成句である「政治とカネ」は、深い含蓄のあるヘッドライン
日本は世界でも指折りの豪雪国だ。国土技術研究センターによれば、例えば札幌市の年間平均降雪量は約630cm。青森市では700cmを超える。ロシア・サンクトペテルブルクの約300cm、カナダ・モントリオールの約225cmなど、他国と比べても日本の降雪量の多さは際立っている。 大陸からの湿った季節風が、日本列島の山脈に当たって雪を降らす。日本は雪害との戦いを宿命づけられた国であり、除雪を怠れば経済活動がストップし、生命をも脅かすリスクを抱える。 最近では道路や駐車場に積もった雪を溶かす「ロードヒーティング」を導入する事業者も増えている。ただ、普及するにはコストの問題がある。 例えば札幌市内で300坪ほどの敷地にロードヒーティングを設置した場合。灯油の使用量は年間3万リットルを超えることがあり、燃料費は年間数百万円になる。費用の負担が大きく、導入できない施設も多い。 この問題に着目し、新たなビジネ
ディープマインドが開発した囲碁AIは「AlphaGo」。昨年10月に中国のプロ棋士で欧州チャンピオンに3回輝いた樊麾(ファン・フイ)氏と非公開で5局対局し、すべてに勝利を収めたという。今年3月には韓国のトッププレイヤーの1人、李世●(石の下に乙、イ・セドル)九段と対局する予定だ。 囲碁が盛んでレベルが高い地域は、中国や韓国、日本、台湾。欧州で活躍するファン氏は、国際的に見て囲碁のトップ棋士と言えないのは事実だ。ただし、AlphaGoは昨年10月から、さらに棋力を向上していると見られることから、3月の決戦は「AIが有利」と予想する日本のプロ棋士も登場した。 同じくボードゲームの将棋では、ここ数年将棋AIがトップレベルのプロ棋士に勝ち越せる実力を証明してきた。だが、将棋の着手数が10の220乗なのに対して、囲碁は10の360乗に上るとされる。着手を決めるための局面の形勢判断も難しく、囲碁AIの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く