「kawaii」、「emoji」、「sushi」などとともに、「hentai」も海外へ流出した日本語の一つだ。だが、日本での「変態」とは少々意味が異なり、海外での「ヘンタイ」は漫画やアニメのジャンルの一つ、「ポルノ漫画」、「ポルノアニメ」を意味する。 「ファンタスム(幻想)」はどこで生まれるのか──? ポルノ関係者にこの質問を投げかければ、「日本」という答えが返ってくる可能性が高い。数字は明白に示している。大手ポルノ共有サイト「Pornhub」で、2019年からもっとも多く検索されたワードは「ヘンタイ」(ポルノ漫画、ポルノアニメ)、そして2番目は「日本人」である。 この流行は世界的なもので、ポーランドからメキシコまで、男女問わず長く続いている。まったく驚くべきことだ。 そこで数々の疑問が浮かぶ。長らく青少年のコンテンツだった漫画が、どうして大人の隠れ場に入り込んできたのだろうか? 文化的に
「comico」や「ピッコマ」「LINEマンガ」などの各種プラットフォームから拡散され、2020年代では日本のポップカルチャーにおいても注目のメディアミックスの資源となった韓国発の漫画形式・Webtoon(ウェブトゥーン)。 2024年初頭から韓国WebToon原作のTVアニメ『俺だけレベルアップな件』『外科医エリーゼ』が絶賛放映中。4月からは同じく人気作の『喧嘩独学』が放映される予定です。 『喧嘩独学』レビュー 金も力も持ってない男が、いじめよりも苦しむ”モノ” 「陰キャがこの子とデート!? だがクラスメイトに絡まれ敗北…」という漫画の広告を見たことがあるだろうか? 一時期… 「陰キャがこの子とデート!? だがクラスメイトに絡まれ敗北…」という漫画の広告を見たことがあるだろうか? 2023年には『彼女が公爵邸に行った理由』『帰還者の魔法は特別です』などが、その前には『神之塔』『ゴッド・オ
深い物語について語り合える空間 「CaptaiNaruto」のアドリアンによれば、『NARUTO-ナルト-』は何時間もの議論を生み出すような作品だという。「物語の象徴性や各編の結末についてなど、ストーリーそのものが無限の会話を誘うのです」と彼は指摘する。 さらに、「その世界観と神話的な内容は、日本文化への素晴らしい入り口にもなっていました」と続ける。また、このサイトと掲示板の投稿者の一人が、作品に関する哲学的なコラムを書いていたと振り返る。 「インターネット上のコンテンツや話題は、作品を越えて、その世界観を維持させる方法でもあります。たった30分で終わってしまう一話分の放送や、短時間で読み切ってしまう一巻分の内容を超えることができるのです」と「The Way of Naruto」のdabYoは説明する。 しかし、話は木の葉の里などからは遠く離れ、社会問題にまで飛び火することもあり、しばしば
ブルックリンを拠点とする詩人、文化批評家、パフォーマー、ナード・コンテンツ・クリエイター。彼の活動はMarvel Voices、The New York Times、Chicago Tribune、Huffpost、The Root、Lifehackerで紹介されている。ウィリアム・エヴァンスと共著したエッセイ集、Black Nerd Problems(2021)は、Blerd(=Black Nerd)のバイブルの役割を果たしている。オマールとウィルはウェブサイト「Black Nerd Problems」も運営している。 ■ブラック・ナードという視点 柳澤田実:まず初めに、なぜBlack Nerd Cultureという視点でポップカルチャーについて発信を始めたのか教えていただけますか? オマール:自分が得意なことだったから。ポップカルチャー、特にサブカルチャーについて語るということ
世界のコミックスとマンガ市場は、依然と成長を続けているようだ。米国のポップカルチャービジネスの調査会社ICv2は、ニューヨークコミコンの開催に合わせて2022年の北米のコミックスとグラフィックノベルの売上げ推計を発表した。 ICv2の調査によれば2022年のコミックスとグラフィックノベル(日本マンガを含む)の売上げは21億6000万ドル(約3200億円)で、前年から4%増加した。これは21年の20億7500万ドルを超えて過去最高の水準となる。 2022年の伸び率は小さいが、2021年は前年比62%増と急成長した後だけに、引き続き高水準を維持してさらに拡大したと言っていいだろう。北米のコミックス/グラフィックノベル市場の好調を印象づけるものだ。 2021年の市場の高い伸びは、コロナ禍での巣籠り需要が大きな理由されている。ICv2は2022年の堅調について、この時期の新たな消費者が引き続き購入
アニメや漫画とその表現規制を考える一助になるかもしれない。そんな思いから、今年ドイツのアニメファン界隈を騒がしている『東京リベンジャーズ』と「マンジ」の問題を取り上げてみます。 きっかけは、今年6月に開催された「ドイツのコミケ」を目指すドイツ最大のアニメ漫画イベント「ドコミ」での出来事です。7万人を超えるファンが来場したイベントですが、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで話題になったのが『東京リベンジャーズ』の「マンジ」をめぐる問題です。 どれくらい話題になったのかというと、ドコミの運営団体が後日、公式に立場表明を行わざるを得なかったほどです。 まずはその立場表明を見てみましょう。 #servicetweet [🇩🇪] & [🇬🇧] Wir bedanken uns bei allen Besuchern, die ein offenes Gespräch mit uns su
これは本日29日に開催されたオンライントークイベント「ジャンプのミライ2022」で発表されたもので、少年ジャンプ+編集長・細野修平らが出席し、ジャンプのWEBサービスの「これまで」と「これから」などを語り、今回の施策を発表。 「2023年以降に始まる『少年ジャンプ+』オリジナル作品の新連載は、すべて英訳、日本では『少年ジャンプ+』で日本語版を、『MANGA Plus by SHUEISHA』で英語版を同時連載する方針」と説明した。 『MANGA Plus by SHUEISHA』は、『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』などの人気作品の最新話が、全世界で本(週刊少年ジャンプ)と同時に、英語とスペイン語で無料で読め、世界中の漫画読者が、同時に作品について盛り上がれることを目指したサービスとして2019年1月より配信がスタート。連載中の人気作の最新話を、日本での掲載雑誌の発売日(『少
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています BLドラマが世界的に人気を集めるなど、昨今にわかに注目されているタイ製コンテンツ。実はそんなタイでも、日本のオタクコンテンツは長らく人気があり、現地のオタクたちは日本の最新事情にも精通。ネットのおかげで、今やアニメの視聴タイミングも日本とほぼ変わらないほどだとか。 そんなタイの状況に注目したのが、日本産オタクコンテンツの一大供給源であるKADOKAWAグループ。2016年にはタイの出版社との間で合弁企業「KADOKAWA AMARIN COMPANY LIMITED」をバンコクに設立し、現地での出版活動を本格的に展開しています。しかし、タイで日本のオタクコンテンツを展開するって、そんなにうまくいくものなの……? 「KADOKAWA AMARIN」公式サイト というわけで、今回はKADOKAWA AMARINの代表を務める岩崎太郎代表
フランスで「日本式」マンガが売り上げ過半数を占めるように さて、フランスやその隣国のベルギーにおいては、「バンド・デシネ」と呼ばれる独自の漫画文化が存在してきた。バンド・デシネ由来の人気キャラクターとしては、タンタンやスマーフなどが日本でも知られている。 このバンド・デシネに、日本式のマンガ、さらにマーベルなどに代表されるアメリカの「コミックス」を合わせたものが、一般に世界三大漫画文化として並び称されてきた。 しかし近年、日本のマンガの人気は拡大する一方であり、この勢力図に変化が生じている。 約30年前に日本のマンガがフランスに本格上陸して以来、ついに今年はじめて、同国におけるこれら3種の漫画の売り上げ総額の過半数を、(日本式の)マンガが占めるようになったのである。マンガはコミックスやバンド・デシネよりも販売価格が安いため、売り上げ冊数で比べると人気の差はさらに顕著である。 国境を超える『
ただいま台湾の百合漫画『綺譚花物語(きたんはなものがたり)』の日本語版を出版するべく、クラウドファンディングに挑戦中の翻訳者、黒木夏兒(くろきなつこ)です。タイトルからお察しの通り、本作は吉屋信子の『花物語』へのオマージュ。昭和11年の台中市を主要な舞台として、少女たちの葛藤を描いています。 ご興味をお持ちの方は、是非、『綺譚花物語』のクラファンページをご覧ください。マンバ通信の別記事にも『綺譚花物語』クラファンの紹介が掲載されております。 このクラファン紹介記事からの繋がりで、台湾の漫画事情についてマンバ通信で連載を行なうことになりました。これから何回かに亘って、『綺譚花物語』に関連するジャンルの台湾漫画と、その背景を解説していこうと思います。 近年、何かと注目が集まりつつある台湾。旅行中、地下鉄に萌えキャラがいたり、総統がネコミミキャラ化されていたり、という光景を旅行中に見掛けて、「あ
自分でも何を言ってるのかよくわからないが事実そうなので人生は面白い。 はじめに まず呪術廻戦を知らない人の為に簡単に言うと、呪術廻戦とは少年週刊ジャンプで現在連載中の漫画です。 そして、テレビアニメ化もされ現在巷で大人気!(ちなみに私は連載開始直後からのファンです。) そして呪術廻戦には敵キャラとして呪霊という妖怪のような存在がいるのですが、その中の一人に真人(まひと)という性格の悪いキャラがいます。 ↓ 表紙を飾る真人さん 呪術廻戦 15 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:芥見下々集英社Amazon で、この真人なんですが私の本名でもあり、Twitter IDでもあります。 twitter.com 呪術廻戦の真人さんは漫画でもアニメでも悪い意味で大活躍をされており、時折海外の呪術廻戦ファンから何故か私が罵声を浴びせられたり中指をおっ立てた写真を送られたりすることもありました。
フランスで、約80万人いる18歳の若者の文化芸術活動を資金的にサポートする“文化パス(pass Culture)”の無料配布が5月に本始動しました。300ユーロ(約4万円)のクーポン発行により、日本の漫画の売れ行きが急速に伸びたと仏各紙で報道され話題になっています。 今日からですよーとお知らせ(画像は文化パスのInstagramから) エマニュエル・マクロン仏大統領は文化パスの配布開始に合わせ、多くの若者にアプローチできるようTwitterやInstagram、TikTokなどのSNSを通じ利用を促進。もともとマクロン大統領の2017年大統領選での公約だった文化パスは、多様な文化へのアクセスが難しいフランスの14地域で約2年間テストされてきたものです。19歳の誕生日前日まで申請可能で、専用アプリにアカウントを作ると300ユーロが自動的にクレジットされ有効期限は24カ月。同国に1年以上住んで
《この記事は約 6 分で読めます(1分で600字計算)》 おなじみ、北京大学・馬場公彦氏によるレポート。今回は、中国動漫産業の歴史や動向について。「動漫」は動画と漫画の複成語で、日本文化の影響を強く受けているそうです。前後編でお届けします。 4億人市場となった中国動漫産業 中国では消費活動においてもコミュニケーションの現場においても、可愛らしいアニメや漫画のキャラのアイコンが生活に欠かせないスパイスとなって効いている。商品広告はもちろんのこと、ビジュアル系各種メディアにおいて、テレビや出版のみならず、携帯アプリやSNSでのステッカー(スタンプ)などにおいて、生活空間が漫画やアニメに溢れている。その風景は日本と同様で、日本の影響を強く受けているが、浸透度ははるかに日本を上回っているように感じる。 今回はこの中国大陸を覆い尽くす動漫ドンマン(動画と漫画の複成語)について、その市場の実態・歴史・
9月 2024 (10) 8月 2024 (26) 7月 2024 (24) 6月 2024 (27) 5月 2024 (26) 4月 2024 (24) 3月 2024 (24) 2月 2024 (25) 1月 2024 (23) 12月 2023 (28) 11月 2023 (24) 10月 2023 (25) 9月 2023 (26) 8月 2023 (25) 7月 2023 (27) 6月 2023 (28) 5月 2023 (28) 4月 2023 (26) 3月 2023 (29) 2月 2023 (22) 1月 2023 (24) 12月 2022 (26) 11月 2022 (21) 10月 2022 (22) 9月 2022 (21) 8月 2022 (20) 7月 2022 (23) 6月 2022 (23) 5月 2022 (23) 4月 2022 (26) 3月 2
「Mangamo」は、日本のマンガを北米、ヨーロッパをはじめとする英語圏を中心とした海外に向け月額定額制で提供するモバイル向けのサブスクリプションサービス。講談社、コアミックス、コミックスマート、フレックスコミックスをはじめとする11の出版社とパートナーシップを組み、「進撃の巨人」「ソマリと森の神様」「炎炎ノ消防隊」「リセットゲーム」「邪神ちゃんドロップキック」など300以上の作品を月額4.99USドルにて読み放題で提供する。サービス使用可能エリアは日本・中国・韓国を除く全世界。 「Mangamo」の立ち上げについて、代表取締役のバディ・マリーニは「これまで海賊版に収益を奪われていた日本のマンガ作品の現状に一石を投じにいきます」とコメント。正当な方法で日本のマンガをマンガファンに提供し、それと同時に日本の出版社に対し収益還元を行い、マンガデジタル市場のエコシステムを作ることを目的としている
吾妻ひでお「失踪日記」がイタリアのマンガ賞であるGran Guinigi賞のRiscoperta di un’opera(再発見された作品)部門を受賞。10月末に開催されるヨーロッパのコミックコンベンション・Lucca Comics & Gamesにて、授賞式が行われる。 Gran Guinigi賞は1967年から続くマンガ賞。過去には谷口ジロー、浦沢直樹、松本大洋、松本零士の作品が受賞している。 「失踪日記」は吾妻が2度の失踪やアルコール依存症の体験を描いたノンフィクションで、2005年3月にイースト・プレスから出版された。累計30万部を売り上げ、これまでに第34回日本漫画家協会賞大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞。また2013年10月には、続編の「失踪日記2 アル中病棟」も刊行され
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く