ブックマーク / www.cinra.net (132)

  • Lil Nas Xは何と戦っているのか。プライド月間に考える、ヒップホップとLGBTQを取り巻く状況 | CINRA

    毎年6月は、LGBTQの権利や文化を称揚する「プライド月間」として知られている。同性婚の実現を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟が起こるなど、日における社会的な関心も高まっている。 ではいま、音楽はその機運や当事者たちの声をどのように反映しているだろうか。 「タフな男らしさ」が誇示されることの多かったヒップホップ / ラップシーンにおいて同性愛嫌悪が強いことは度々問題になってきたが、2010年代から現在に至るまでのさまざまな出来事を経て、シーンの風向きも変わってきた。 - Lil Nas Xが『MONTERO』(2021年)をリリースした際、ライターの木津毅はこう記したが、社会的な機運に反して、いま黒人社会における同性愛嫌悪が取り沙汰されている。「ゲイのポップスター」で「2021年の顔」とも言うべきLil Nas Xが、アフリカアメリカ人向けのテレビ局「BET」が主催する『BET

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  • なぜヒップホップは先端技術に接近し、そしてどこへ向かう? スヌープ・ドッグとNFTの例から考える | CINRA

    「いまアーティストが得ているのは、音楽業界全体が稼ぐ金のうちたった12%だ。いまこそ、この抑圧的なシステムから音楽を解放するときだ」 カニエ・ウェストは最新作『Donda 2』を専用機器「ステム・プレイヤー」限定で発売した際、Instagramでこのように投稿していた(現在は削除)。大手プラットフォームのアーティストへの還元率の低さはたびたび指摘されることではあるが、カニエ・ウェストとは異なるかたちで、この問題に対して行動を起こした人物がいる。スヌープ・ドッグだ。 スヌープ・ドッグは先日、自らの作品をNFTでリリース。さらにメタバースを通じてアーティストをリリースする意欲も示している。 音楽活動に対する主体性の高さ、あるいは音楽産業のシステムに対する問題意識の表れか、ビジネスマンとしての嗅覚からか。とはいっても、これらのアーティストの動きは少々突飛にも見える。 一方で、そもそもヒップホップ

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  • K-POP歌手でありバーチャルなウサギ、APOKIとは?本人らが語る | CINRA

    音楽だけでなく、多様なカルチャーやトレンドを取り入れ、進化し続けるK-POPシーンに、ユニークな存在が現れた。2021年2月にデビューしたバーチャルK-POPアーティスト、APOKIだ。 K-POPアーティストにとって「コンセプト」「世界観」と「ファンとのコミュニケーション」は重要な要素だが、APOKIは「宇宙のどこかに住むウサギ」として地球のファンと交流する。見た目はガールズグループにいそうなすらりとした体型に、海外のアニメキャラのようなキュートな顔つき。歌って踊る姿は生身の存在のようにナチュラルで不思議な存在感を見せる。 日でもキズナアイをはじめとするさまざまなVTuberたちが人気を集めているが、バーチャル文化K-POP文化の双方を股に掛けるAPOKIとは一体どのように生まれ、どんな展望を持って活動しているのか? 今回はAPOKIを生んだ韓国のスタートアップ企業・Afun Int

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  • アニメに電子音楽 日本のカルチャーとポーター・ロビンソンの蜜月 | CINRA

    アニメや電子音楽などをはじめ、日文化に関心を持ち、深い想いを抱いているポーター・ロビンソン。 たとえば、長谷川白紙も出演したオンラインフェス『Secret Sky 2020』でポーターは、アニメ『ちょびっツ』のオープニングテーマであるRound Table“Let Me Be With You feat. Nino”や、パソコン音楽クラブ“hikari feat.長谷川白紙”、宇多田ヒカル“Heart Station“を印象的にプレイしていた。また高木正勝を「ヒーロー」と呼び敬意を寄せていることに加えて、不定期で更新されているSpotifyのアーティストプレイリストでも、その趣向をうかがい知ることができる。 これらのことは一体どんな意味を持つのだろうか? この記事をまとめて私は、ポーターの感覚には単なる個人の趣味嗜好を超えた何かがあるはずだという確信を強めた。そしてその感覚は、この国で

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  • 2003年生まれのLAUSBUBが語る 人生を変えたテクノとの出会い | CINRA

    2021年初頭、SNSで拡散された高校生2人組によるテクノミュージック“Telefon”のサウンドクオリティーに度肝を抜かされた人は多いだろう。 ドイツ語で「いたずらっ子」を意味するユニット名「LAUSBUB」と名乗る、北海道は札幌在住の岩井莉子(Gt,Syn,DJ)と高橋芽以(Vo,Gt)による2人組。ユニットを結成したのも、格的に打ち込みをはじめたのもまだ1年と少し前という事実にも驚かされるが、すでにSoundCloudにアップされている3曲は、いずれもYellow Magic OrchestraやBuffalo Daughter、Corneliusなどに影響を受けたポップでミニマルな音楽性に、デジタルネイティブならではのアイデアやユーモアがふんだんに盛り込まれている。 コロナ禍で家にいる時間が増え、できなくなったバンド活動の代わりにはじめたというLAUSBUB。iPadにバンドルさ

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  • ヒップホップ・南米音楽との融合『NOMAD メガロボクス2』 | CINRA

    名作『あしたのジョー』を原案としながら、近未来を舞台にギアを装着して闘う格闘技「メガロボクス」に関わる人間たちの熱いドラマを描いた挑戦的なテレビアニメーション『メガロボクス』。その続編として2021年4月より放送・配信されている『NOMAD メガロボクス2』のBlu-ray BOX(特装限定版)が7月28日にリリースされる。 肉体とギアテクノロジーを融合させた究極の格闘技「メガロボクス」。その頂点を決めるトーナメント戦に、最下層の地下リングからたった3か月で頂点へと駆け上がり、奇跡の優勝を果たした主人公ジョー。 それから7年後の世界を描いた『NOMAD メガロボクス2』は、「移民」や「格差」など現代社会が抱える問題を取り上げながら、さらにオリジナリティーの高い作品に仕上がっている。前作に引き続きサウンドトラックを担当したのは、音楽プロデューサー / ドラマー / マルチクリエイターのmab

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  • アニメと共振するテン年代のUSラッパーたち。響き合う作品世界 | CINRA

    アメリカのポップカルチャーで存在感を強める「Anime」のイメージ 「Anime」という英語がある。ここには、ディズニー映画『シンデレラ』のようなアニメーションは入らない。ウェブスター辞典の表現を借りれば、展開の多い物語のなかで色鮮やかなグラフィックでキャラクターが描かれた「日発祥のアニメーションスタイル」、つまりは日式アニメを指す言葉なのだ(異論が出そうな定義だが、稿では以下、これを「アニメ」と記述)。 米国文化圏におけるアニメのイメージは、アニメファンとして知られる人気ラッパー、Lil Uzi Vertの“Ps & Qs”(2016年)ミュージックビデオを見れば捉えやすいだろう。 ヒップホップ文化と混じり合っているものの、巨大な目、カラフルな髪色、ティーンの主人公と学園舞台、「さん付け」文化、そして『ドラゴンボール』に代表されるような派手なアクションとパワーアップする変身……こう

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  • ボカロ文化の歴史を次世代に繋ぐ試み 『プロジェクトセカイ』鼎談 | CINRA

    2021.04.20 Tue Sponsored by 『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』 ボーカロイド文化に、新たな広がりが生まれている。YOASOBIを筆頭にボカロP出身のクリエイターが音楽シーンで目覚ましい活躍を見せていることを知る人は多いと思うが、その一方で、スマートフォン向けゲームの世界でも大きなムーブメントが生まれている。 それが、2020年9月30日のリリースから約半年でユーザー数300万人を突破したゲームプロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下『プロジェクトセカイ』)だ。リズム&アドベンチャーゲームという体裁で、ボーカロイド楽曲をプレイできるリズムゲームのパートをメインにしつつ、初音ミクと出会い、音楽をつむいでいくオリジナルキャラクターである少年少女たちの青春物語を描くアドベンチャーゲームとしても楽しめるようになっ

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  • 川井憲次に聞く押井守との共同制作。説明不可能な音楽探求の日々 | CINRA

    アニメ史に残る金字塔『攻殻機動隊』シリーズの劇場公開作品第一弾『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の舞台となっているのは2029年。遠かったはずの未来に近づきつつある現在、『攻殻機動隊』シリーズが今もなお強い魅力を放ち続けている理由は何なのだろうか。 今回、シリーズの主題歌・挿入歌50曲がハイレゾで改めてリリースされるのに合わせて、『攻殻機動隊』のイメージを決定づけた映画2作品の音楽を手がけた川井憲次にインタビューを行った。川井は制作当時、どのような思いのもと世界が驚愕した異形の音楽世界を構築したのだろうか。当時の押井守監督とのやりとりを振り返りながら、今一度『攻殻機動隊』の魅力に音楽面から迫ってみたい。 押井さんの場合、普段とは違う考え方ができるのでおもしろいんですよ。 ―川井さんが押井監督と初めてお仕事をされたのは、1987年の実写作品『紅い眼鏡』が最初ですよね

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  • 機材で聴くヒップホップ。90年代の音を支えたSP-1200 | CINRA

    テクノロジーの革新とともに、そのサウンドを変容させてきた音楽、ヒップホップ。使用される機材によって、どれほどサウンドに影響を及ぼすのだろうか。ミュージシャンや楽器メーカーの開発担当らに取材しながら、機材とヒップホップの関係を記した『MPC IMPACT!-テクノロジーから読み解くヒップホップ』を今年1月に上梓した大島純。今回彼が、書で記述した一部をさらに掘り下げ、「SP-1200」が支えた1990年代のヒップホップについて綴る。 テクノロジー音楽の1980年代。SP-1200が生まれるまで 私は2019年の5月のある日曜日の午後9時、勤務先であるNYマンハッタンのニュースクール大学のスタジオでピート・ロックを待っていた。このインタビューセッションのために何度か電話連絡はしたものの、前回は直前で「用事が入った」とキャンセルになったので、今回は当に現れるのかが不安だった。そんな土砂降りの

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  • dodoは名もなき人生をラップする もうゲームの勝ち方に興味はない | CINRA

    7月17日に、2ndアルバム『normal』をリリースした、ラッパー / トラックメイカーのdodo。去年、月に1曲のペースで楽曲を配信していくなかで“nothin”や“im”といった楽曲がスマッシュヒットしたことで存在感を強めた彼だが、元を辿れば、2013年『高校生ラップ選手権』に出場したことから格的に活動をスタートさせた、決して短くないキャリアを持つアーティストでもある。 dodoは、自身のアーティストとしてのスピード感を「遅い」と語る。しかしながら、高校卒業後に洗足学園音楽大学に入学し音楽を学び、その後、正社員として働きながらも制作を続けていたという彼の、様々な紆余曲折を経てたどり着いた音楽には、彼自身の人生哲学が色濃く刻み込まれた、普遍的な輝きがある。『normal』にはその輝きが、とても優しく、深く、沁み込んでいる。 今回、僕は初めてdodoにインタビューをさせてもらったが、彼

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    astroglide
    astroglide 2020/08/19
    すごくいい内容。
  • ミニシアターを救うために。現場からの声と、海外の事例を紹介 | CINRA

    シネ・ヌーヴォ(大阪)の館内 撮影:井戸沼紀美 新型コロナウイルス感染症流行の影響で、映画館が苦境に立たされている。2月下旬頃から、チケットの払い戻し対応や、入り口でのアルコール除菌、スタッフのマスク着用などで感染拡大防止の施策を行なってきた劇場も多く存在する中、行政からの不要不急の外出自粛要請や、密閉、密集、密接の「3密」を避けるべきというアナウンス、そして4月7日の政府による緊急事態宣言により、いよいよ劇場の経営自体が危ぶまれているのだ。 既に休業を余儀なくされている映画館は少なくない。特に地域に根ざしたインディペンデントな活動を続けるミニシアターが、大きな打撃を受けていることは想像に難くないだろう。4月に入ってからは、京阪神の映画館による「Save our local cinemas」プロジェクト、政府に対して緊急支援を求める要望書への署名を募る「#SaveTheCinema」など、

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  • KREVAが語る生みの苦しみ「ここ5年くらい、言いたいことがない」 | CINRA

    2019年はソロ始動15周年、ということで「9か月連続リリース」企画をぶちあげ、過去曲の2019年バージョンをデジタル / カセット / ストリーミング / アナログとメディアを変えて発表したり、“王者の休日”の「DLコード付きボクサーパンツ」を発売したりしてきたKREVA。その第6弾となるのが6月19日リリースのニューベストアルバム『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』である。趣旨はタイトルのとおり。 ギリギリ「CDがまだ売れる時代」だった2001年にKICK THE CAN CREWでメジャーデビューして翌年“マルシェ”で『紅白歌合戦』に出演、2004年のソロデビューから現在まで、世の音楽状況がどんどん変わっていく中にあっても一貫してトップを走り続けてきたKREVAは、今どんなことを考え、どのように行動しているのか。『成長の記録』のことも、それ以外も含めて、正面から訊いた。 「やった

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  • GEZANマヒト×新井英樹対談。絶望が前提になった時代の生き抜き方 | CINRA

    GEZAN・マヒトゥ・ザ・ピーポーによる連載。連載タイトルを『闘争』と改め、これより対談シリーズをお届けしていく。エピソード0にあたる前回のソロインタビュー(「GEZANマヒトが我々に問う。新しい世界の入り口で社会を見つめる」)では、新しい世界の定義と、そこにある人間の危機を「予感」ではなく「実感」そのものとして語ったマヒト。 人を傷つけることでしか己を維持できなくなった人間、答えと正しさだけを押し付け合い断絶と排他を深めた人間、「何が善で何が悪か」などでは割り切れない新たな価値観を求める人間。その中で、入場料だけでなくフードまでをフリーにして開催される2019年の『全感覚祭』。音楽の価値を問うだけでなく、「」――命に直結する行為の価値までを各々に問い、同時に誰に対しても開かれた場所を作ろうとGEZANは闘い続けている。だからこそ、マヒトが漫画家の新井英樹氏と言葉を交わしたいと言った時に

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  • 津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』が面白い。早川書房の編集者に取材 | CINRA

    「このが売れなかったら、私は編集者を辞めます。」 そんな思い切ったコピーが帯に付された文庫が6月に店頭に並んでから、約2か月が経った。ハヤカワ文庫から刊行された津原泰水の長編小説『ヒッキーヒッキーシェイク』がその一冊だ。帯文を綴ったのは、早川書房の編集者・塩澤快浩。『S-Fマガジン』の編集長であり、伊藤計劃、円城塔、飛浩隆らの著書を世に送り出してきた。日SF界に多大な功績を残してきた名編集者に、そこまで言わせる作品とはいったいどんなものなのか。気にならないわけがない。塩澤氏にメール取材を行なった。 津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』ハヤカワ文庫版帯 「あるがきっかけで早川書房に入社した人間がいるなら、逆に辞める人間がいてもいいだろうと」 もともと『ヒッキーヒッキーシェイク』は2016年に幻冬舎から単行が刊行されていたもの。文庫化の話も具体的なところまで進んでいたそうだが、すんで

    津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』が面白い。早川書房の編集者に取材 | CINRA
  • 『MdN』休刊理由を編集長に聞く。乃木坂や『おそ松さん』特集の裏話も | CINRA

    デザイン誌『MdN』が、日3月6日発売の『月刊MdN2019年4月号』をもって休刊した。1989年創刊。約30年間におよぶ歴史に一区切りをつけた。 デザインの専門誌でありながら、攻めた特集企画で人気を集めていた『MdN』。サカナクションや乃木坂46、欅坂46といったアーティスト、『おそ松さん』『君の名は。』といった旬のアニメなど、エンターテイメントに「デザイン」の観点から切り込んでいく特集記事をはじめ、「神社のデザイン」や「大相撲の美」にフォーカスした特集(!)、付録としてフォント辞典がつく「絶対フォント感を身につける」シリーズ、176ページの漫画雑誌を一冊作って付録にするという企画「マンガ雑誌をMdNがつくってみた」などなど、あっと驚くような特集記事を世に送り出してきた。その内容はCINRA.NETでもたびたびニュースとして紹介した。 CINRA.NETでは『MdN』編集長の信光理氏

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  • 七尾旅人が歌い続けてきたこと 名もなき人生を照らす音楽家の20年 | CINRA

    七尾旅人は、誰かのために、歌を歌ってきたのだろうか。それとも彼は、自らのために、歌を歌ってきたのだろうか。この問いに対して、ひとつのハッキリとした明確な答えがあるとは思わない。ただ、言えることはひとつ。彼が、この20年間において生み出してきた、不思議な形の音楽――いびつで、しかし、ため息が出るほど美しい形をしたその音楽は、たしかに誰かの人生を照らしてきたのだ、ということ。巨大なものの陰に隠れながら、それでもたしかにそこにある、名づけられることのない人生や感情の存在を、彼の音楽は照らし続けてきた。 新作『Stray Dogs』は、『リトルメロディ』や『兵士A』といった近作に比べても、七尾自身の「独白」という性格が強いアルバムとなった。この20年間、世界中から溢れる様々な声に耳を傾け、それを表現し続けてきた力強く巨大な音楽家であると同時に、部屋でひとり佇む、無力な少年の面影を残し続けてきた七尾

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  • Zeebra×スティーヴ・アオキ 「踊れなかった国」日本の変化 | CINRA

    たった4年前まで、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、「風営法」)によって、クラブ営業が禁止されていた日。数々の有名DJなどを生み出しながらも、長年「踊れない国」だった。それから法律が改正され、どう日のクラブカルチャーは変化していけるのか。 ヒップホップグループ「キングギドラ」や、ソロのラッパーとして活躍しながら、団体「クラブとクラブカルチャーを守る会」を発足し、風営法の改正に尽力したZeebraと、日系アメリカ人のDJ、音楽プロデューサーとして世界のEDMシーンで絶大な人気を誇るスティーヴ・アオキが対談。世界のクラブを知る2人の男が、日のクラブカルチャーの課題と、今後の展望を語り合う。 DJの最中にプロモーターがやってきて「警察がきてるから、もっと静かにDJしてくれ」って言ってきたんだ。(アオキ) —Zeebraさんは、日のナイトカルチャーを盛り上げるための

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  • インターネットのパイオニア、核P-MODEL・平沢進インタビュー - インタビュー : CINRA.NET

    来年でP-MODELデビュー40周年を迎える平沢進。「テクノポップ御三家」と言われたP-MODELを、その絶頂期に路線変更。インターネットには黎明期から注目し、いち早く「インタラクティブライブ」やダウンロード配信を行うなど、未開の地を切り開いてきた。常に時代の一歩先を見据えてきた平沢から、次世代を担う若者たちへのメッセージをお届けする。 それまでミュージシャンは「ミュージシャン」であるために、妥協がたくさん必要でした。 —平沢さんは、インターネット黎明期から積極的にインターネットを活用されてきました。そもそも、インターネットのどこに魅力を感じたのでしょうか。 平沢:1980年代の終わり頃からデジタル技術が著しく発達し、ミュージシャンが「個人」でできる範囲もどんどん広がっていきました。その頃から、音楽制作から流通に至るまでのプロセスにおける最後の部分、つまり「情報発信」とダウンロードを含めた

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  • 磯部涼×細倉真弓『川崎ミッドソウル』 アフター『ルポ 川崎』 - コラム : CINRA.NET

    2018.11.09 Fri Sponsored by 『NEWTOWN 2018』『SURVIBIA!!』 Part.1:ふたつの「川崎」ーー変容する南部、侵犯する北部 「川崎」はふたつの顔を持っている。その地名を聞いたときに、ある人は工場地帯を、またある人はニュータウンという相反する光景を思い浮かべるだろう。もしくはそれらは、刺激的だが治安が悪い土地と、平穏だが退屈な土地というイメージに置き換えられるかもしれない。そして、そういったふたつの側面は、東京都と横浜市に挟まれた細長い形をした7区からなる市の「南部」と「北部」とが、各々、担ってきたと言える。 2017年、神奈川県川崎市の人口は150万人に達した。政令指定都市の規模としては全国7位だが、非県庁所在地という条件をつければ1位、更に増加率に関しては条件なしで1位に当たる。交通の便の良さを生かし、ベッドタウンとして一極集中が進む都心か

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