プーチン大統領は正気を失ったのではないか──ウクライナ侵攻を受け、そのあまりに不合理な決断に困惑し、そう口にする専門家や政治家もいる。実際、彼はいま何を考えているのだろうか。ロシア思想を専門とするフランスの哲学者、ミシェル・エルチャニノフに、仏誌「ロプス」が見解を聞いた。 プーチンの思想は20年間アップデートされていない ミシェル・エルチャニノフは2015年の著書『ウラジーミル・プーチンの頭のなか』で、いま地球を最も不安にしている男の根底をなすイデオロギーと、その心の原動力を考察したことがある。 最新著の『レーニンは月を歩いた』(未邦訳)のテーマも、プーチンが影響を受けたとされるソ連時代の疑似科学的な思想潮流だ。いまプーチンの頭のなかは、どうなっているのか。 ──プーチンは正気を失っているのではないか。一部ではそんなことも言われていますが、『ウラジーミル・プーチンの頭のなか』という本の著者
![ロシア思想研究者「世界はプーチンの核の脅しを真剣に受け取ったほうがいい」 | 「必ずしも正気を保てているとは言い切れない」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/22f90d4dc7ae823ac55a4e80a2f95ab070ccf692/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2022%2F03%2F15235756%2FGettyImages-529257944-e1647323946110-1600x900.jpg)