Photo by Kinga Cichewicz on Unsplash 「(恋愛弱者やオタク男性は)波風立たせず平和にひとり滅びればいい」とは、東京大学の社会学・上野千鶴子教授が自著にて展開した持論です。こうした「出来れば僕たち私たちのフィールドと関係ない所で一人ひっそり滅びてくれないかなぁ」という、ある種身勝手な思考を「一人で死ね」論と呼びます。 「一人で死ね」論は無責任かつ身勝手な放言に過ぎません。社会のあらゆる深刻な問題について、それに悩む当事者へ「お前面倒くせえんだよ!視界から消えろ!」と蹴りを入れるようなものです。そして、現実から引き離したかった人間を却って現実上へと引き寄せることもあります。 川崎通り魔事件を機に増殖 「自分さえよければいい」の発露に過ぎなかった「一人で死ね」論が一気に支持されだしたのは、2019年5月に起こった川崎通り魔事件がきっかけでした。たった十数秒で2
