茨城県沖のイカナゴ(コウナゴ)から基準を超える放射性物質が検出されたことを受け、国が県沖の水産物検査に踏み切った。これまで各漁協に対応を任せ、検査の主導に消極的だった県は、いまだに表だった関与を見せていない。 「那珂湊から出漁したという話は聞いていない」 7日午前、水産庁の依頼でサンプル捕獲にあたる漁船が那珂湊漁港を出港した後、県漁政課の担当者はこう語った。事前に国との協議はなかったという。 水産庁幹部は5日、県の魚介類検査への対応について苦言を呈していた。「検査をやって公表してもマイナスになるだけだから、と言っている。めちゃくちゃだ」。この幹部は、漁協が独自に行ってきた検査についても「ぜんぶ国の施設でやり直すべきだ」と不信感をあらわにした。こうした不信が、今回の国の検査につながった可能性もある。 一方、休業に追い込まれた各漁協からも、これまで積極的に海産物を検査する姿勢を見せてこ