『機動戦士ガンダム』第1作と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の違いは、まず、前者が若者の物語であったのに対して、後者が大人の物語である点だ。前者には、思春期的な初々しさや柔らかさもあった。『ガンダム』第1作では愚かな戦争を描いていても、ニュータイプになる事で、いつかは人類が革新され、よき存在へと変わっていくのではないかという希望もあったが、『逆襲のシャア』にはそういった希望は薄い。むしろ、ニュータイプになっても人は愚かであり続けると語るのが『逆襲のシャア』だ。だから、同じ世界を舞台にして、同じ主人公が登場しても、まるで違った作品である。『機動戦士Zガンダム』もニュータイプの不幸を描いていたが、『逆襲のシャア』の方がより分かりやすいかたちで、描ききっているはずだ。 『逆襲のシャア』公開時から、ファンの間でクェス・パラヤは評判がよくなかったようだ。「あのキャラクターさえいなければ」といった発