前々回の記事では,就職に失敗した大学生の自殺率を試算したのですが,通常に比してかなり高い値が観察されました。 ところで,就職失敗を苦にした大学生の自殺は昔もあったようであり,新聞記事検索データベースに「就職失敗*自殺」という語を入れてみると,事件を報じる記事がわんさとヒットします。明治期・大正期のものも結構あります。 しかるに,社会問題化するには至っていなかったようであり,識者のコメント記事が出てくるのは,だいぶ時代を下ってからです。1976(昭和51)年1月26日の読売新聞に,「なぜ就職失敗で自殺するのか」という社説が載っています。私が生まれた年ではないですか。この記事を読んでみましょう。 「卒業を目前にしながら,就職を苦にした,大学生の相次ぐ悲劇(自殺)」(カッコ内は引用者)が目立つとされ,その背景要因について述べられています。 いわれているのは,「受動的な生き方しかできない弱々しい若
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