(前編はこちら) ――新刊『自分を愛する力』(講談社現代新書)には、妊娠中に奥さんが「私、この子のこと、愛せるかな……」とこぼしたというエピソードが掲載されています。乙武さんはうろたえるどころか「だいじょうぶだよ。そのぶん、オレが二倍愛してやるんだから」という言葉をかけていますね。 乙武洋匡氏(以下、乙武) ……カッコイイこと言いますね(笑)。僕は、人間の感情は縛れないと思っています。その感情が道徳に沿ったものであるかないかにかかわらず、そう思ってしまうのは仕方ないし、そこで彼女を責めても何も状況は好転せずに苦しめるだけ。だったら彼女がそう思っていることを前提に、どうしたらいいか考えるしかない。 ――誕生後は、奥さんはお子さんに愛情を注いでいますが、今度は乙武さんがおむつを替えることも扇風機に手を入れそうになった子どもを助けてあげることもできず、「僕に手があったなら――。僕がフツーの父親だ
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