医学の進歩によって飛躍的に伸びた寿命。仕事ができなくなっても、歩けなくなっても、寿命が尽きるまで生きるためにはお金も必要だ。そこまでに何を備えておけばいいのか──。『死に方のダンドリ 将来、すんなり逝くための8つの準備』(ポプラ新書)から考えて見よう。 ※この記事は、『死に方のダンドリ 将来、すんなり逝くための8つの準備』(ポプラ新書)より一部抜粋・編集したものです。 (岡信太郎:司法書士、司法書士のぞみ総合事務所代表) 国庫に吸収される遺産は600億円! 長い年月をかけて築いてきた財産も、認知症や病気によって判断能力が低下すると自分の意思で資産の管理や処分ができなくなり、財産が宙に浮いた状態になってしまいます。 相続人がいない人の遺産が国庫に納められることはご存じでしょう。昨今は単身世帯の増加などによって独り身の方が増加しており、その方に兄弟、姉妹のような相続人となる家族がいなければ相続