公益通報者保護法を拡充する方向性が消費者庁の検討会から示されることになった。オリンパス、東芝などで起きた相次ぐ不祥事を教訓とした。 オリンパス 追及した社長解任 証言席に座る元オリンパス副社長・山田秀雄氏を前に見すえ、東京地裁の大竹昭彦裁判長は尋問の最後に諭すように問いかけた。 「いま考えてみて、取締役に就任した後、あなたに何かできることはありませんでしたか」 1千億円超の損失隠しを主導し、2012年に逮捕され、翌13年に有罪判決を受けた山田氏。会社から損害賠償を求められた訴訟で1日、尋問された。 取締役に就く前の1990年代、山田氏は「体も心もへとへとの状態」で、上司に「終止符を打っていただきたい」などと何度か損失の公表を進言した。が、いつも提案を却下された。ところが、山田氏自身、03年に取締役になった後も11年に明るみに出るまで損失隠しを続けた。裁判長の質問はそこを突いていた。 山田氏
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