映画監督でもあり、テレビドキュメンタリーや映画評などでも活躍する中村高寛氏。中村氏の初長編映画『ヨコハマメリー』は、文化庁記録映画部門優秀賞、ヨコハマ映画祭新人監督賞などを受賞し、その成果をもってご自身が横浜市文化賞芸術選奨賞を受賞、横浜の歴史を語る上で欠かせないアーカイブとなりました。去る9月2日に公開された『禅と骨』は、そんな中村監督の待望の長編映画2作目です。8年の歳月を費やして制作されたこの映画について、そして「横浜と表現活動」について、熱く語っていただきました。 京都嵐山・天龍寺に、一風変わった禅僧がいた。名は「ヘンリ・ミトワ」。横浜でアメリカ人の父と新橋芸者だった母の間に生まれた日系アメリカ人。単身渡米するも、戦時中は敵性外国人として日系人強制収容所で過ごす。戦後はロサンゼルスで過ごしたあと日本に帰国。日本文化を愛し、茶道、陶芸、文筆にも優れた才能を発揮したヘンリは、青い目の文