規制の話題が盛んな時期に読んだので、メチャクチャ考えさせられました。 「で その理屈でいくと 親がセックスして子供ができるなんて話は 子供にとってザンコクでワイセツでユーガイなんだってさ」 ―――『トラッシュカン』収録「Live On Flesh」 古張乃莉の短編集『トラッシュカン』に収録されている「Live On Flesh」は、純真な子供の育成のため「残酷、もしくは猥褻な情報」が完全に規制された世界が舞台です。本は次々と発禁。歴史すら書き換えられ、保健や生物の授業も消失。「そういう」人類の真実は、医大などへ進まないと勉強できない仕組みになっています。 子供達は、自分がどうやって生まれてきたのかを知ることもできません。 「ボクはアキの子供じゃなかったの!? 本当はキャベツの子供だったの!?」 ―――『トラッシュカン』収録「Live On Flesh」 この短編の初出は2000年1月