「アダルトはもうやらないよ」。 映像制作会社に勤める人とはなしていたとき。今度の営業に行く新規の取引先の話をしてくれた。その人の会社はアダルトも一般作品も扱う会社だったので、AVの制作ですか?と尋ねると、彼はそう答えた。 ああ、そうですか、そうですよね、とわたしは相槌を打った。あ、でも、アダルトグッズにも興味があるって話していたから、もし、グッズで仕事になりそうだったら間をつなぐよ、と彼は言った。ありがとうございます、助かります、とわたしは笑いながら、自分の会社のグッズカタログを渡し、この話は終わりにした。 「アダルトはもうやらないよ」。 アダルトはもうからないよ、とか、アダルトは規制が厳しいから、とかそんな言葉が背景にあるような気がした。今までアダルトの仕事たくさんしてたじゃないですか、そんなこと言わなかった。頭のいい人は、どんどん次を考えてすすんでいる。取り残されているのはAVにすがっ