ロスジェネはいま 就職氷河期に世に出たロスジェネ世代は、「本人たちの努力が足りない」とバッシングにさらされた。その当時、共著「『ニート』って言うな!」(2006年、光文社新書)で、問題は「若者の甘え」ではなく「就労機会の不足」なのだと喝破した東京大学の本田由紀教授(教育社会学)は言う。この世代は、負の影響を40代を迎えても引きずっている、と。 ――ロスジェネ世代の苦境に最初に気づいたのはいつですか。 1994年から2001年まで厚生労働省の日本労働研究機構(当時)で研究員をし、労働市場ががらがらと崩れていく状況を目の当たりにしました。大規模なアンケートやフリーター100人へのインタビュー調査などから、日本でかつてなかったことが起きているという実感を持った。そして04年ごろに世の中で言われ始めた「ニート」(職業に就かず、教育・職業訓練も受けていない若者)という言葉と、現実がずれていることに気