国のあり方を大きく変える安全保障関連法案が成立する。十八日、国会の外で平和国家のままであり続けることを願う人たちの声が響く中、政府、与党は法案成立へと突き進んだ。新しい安保法制は自衛隊を変質させ、隊員が「殺し、殺される」ことが現実味を帯びてくるが、「戦場」に立たされる隊員を守るための議論は不十分なままだ。 陸上自衛隊に勤務する四十代のある男性隊員は今年五月、自宅で娘とテレビを見ていた。法案審議のニュースが流れると、娘がポロリと口にした。「お父さん、死ぬでしょ」。妻は「(海外派遣要員として)行けと言われたら、辞めてもいいよ」と言った。 「衣食住はタダ。教育期間が終われば土日も夜も自由」。甘い言葉で勧誘され、高校卒業後に入隊した。基本は災害派遣が仕事という認識だった。「法案に基づく海外派遣の覚悟なんてない。隊員の間でリアリティーを持った話題になっていない」
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